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七日目のプール
【青春 恋愛小説】

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青と赤-1

さすがに休日なだけあって、海水浴場は多くの人で賑わっていた。

「海ー!」

さんさんと降り注ぐ太陽の熱にうっすらと汗をかいている早苗は、我慢しきれないのかそう叫んだ。

「何言ってんの早苗…、早く泳ぎたいなら着替えよ」

綾子が早苗にあきれつつも、促した。


砂浜へと続く石の階段を早苗は駆け足で降りていく。無邪気なその姿を見て思わず笑みがこぼれた。


「あいつ絶対精神年齢低いって…」

今や早苗の保護者ポジションに落ち着いている、遠藤君がため息をついた。ちなみに遠藤君は早苗の彼氏だ。

「まあまあ、海だから普段よりテンションも上がるしね」

綾子が遠藤君を若干哀れみながらフォローした。その言葉にまた笑ってしまう。

「あっ!おい、早苗、あんまり走るなって!」

急いで砂浜へと駆けていく早苗を追い掛けて遠藤君も走る。
「保護者も大変ね」と綾子が呟いた。


長めの階段がようやく終わり、太陽に熱された柔らかな砂を踏みしめた。



が、足を取られて思わず転んでしま…った…?


…前言撤回。転ぶ前に誰かに体を支えられた。

「大丈夫?」

細いくせに意外と力強い腕の持ち主を見上げると、胸がズキリと痛んだ。


「裕也…ごめん、ありがと」

急いで体を離し、そそくさと先へ行った綾子の後を追う。あたしは今更どんな顔をしたらいいのか分からないのに、裕也は変わらず優しいままだった。



海の家に荷物を預けて、水着へと着替え、またあの熱い砂を、今度は素足で踏む。いつもは衣服で隠れてしまう肌に当たる海の風が心地よかった。


海の家で借りたカラフルな浮き輪をくぐり、浅いところから深いところへとちゃぷちゃぷ進んでみる。砂浜を見ると早苗が遠藤君にビーチボールをぶつけていた。


バタ足で進むのをやめて浮き輪に頭を持たれかからせて空を見る。


「すご…」


別に普段と変わらない、ただの空。だけど何故か感動して、泣きそうになった。青い空があんなにも綺麗なのは、きっとどこまでも澄んでいるから。


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