女子会-1
<小松原常務の道楽2からの続き>
ヨーロッパから戻った真紀子は、通常の勤務に戻った。
その週の日曜日、久しぶりに昔の同僚たちと、女子会をやることになった。
以前は、誘われてもなかなか参加しなかった真紀子だが、今はちょっと自分に自信が持てるようになったせいか、参加してみることにした。
自分が仕える常務に、セックスのたびに、「綺麗だよ」とか「スタイルがいいね」と、言われ続ければ、ちょっとは自分に自信も出てくる。
女子会に来たのは、同期入社の真奈美と美紗の2人である。
真奈美は、結婚を前提に付き合っている2歳年上の彼氏がいる。
美紗は、誰もが羨む美貌の持ち主なのだが、彼氏がいるような話は聞いていない。
どこか秘めた部分があり、なかなか本音を語らない。
『まさか、真紀子が参加してくれるとは思わなかった。』
と、真奈美が言う。
続けて、
『何か心境の変化でもあったの? 最近、妙に綺麗になったみたいだし。』
と、美紗が言う。
夕方から居酒屋で始まった女子会は、噂話で盛り上がり、2時間ほどで終了。
3人は、そのまま別の店に向かう。
そこか美紗が知っている、個室のある居酒屋である。
チューハイで乾杯をして、真奈美が切り出す。
『私、彼との結婚は無理かも。』
『え、何かあったの? 浮気?』
『ううん、なんか最近、私に興味がなくなったみたいで。』
だいたい、2次会では、みんな本心を赤裸々に話すようになるものである。
『もう4ケ月以上も、エッチしてないんだよ。』
『それは、ちょっと、、、厳しいよね。』
真奈美も美紗も、エッチなことには興味ないです、みたいな顔をしているけど、こういう話は、もの凄く盛り上がる。
『ねぇ、真紀子は彼氏は?』
と、振られる。
『いないよ。』
と答える。
『でも、エッチはしてるんでしょ?』
と、次の矢が飛んでくる。
『うん、まぁ、適当に、、』
と濁すものの、なかなか矢を払いのけることが出来ない。
以前は、こういう質問が飛んでくるのが鬱陶しかったのだが、今はそうでもない。
ある程度、セックスの経験も積んでいる。
その後、3人は、最近した刺激的なエッチ、という話題で盛り上がった。
真奈美が、
『彼が4ケ月前に、アナルでしたいって言い出して、、、挑戦はしたけど、あまりにも痛かったから断ったの』
と、言う。
続けて、
『そしたら、エッチに誘われなくなった・・』
と真奈美が言う。
美紗は、
『私は、最近、ちょっと3Pに興味がいってるの。』
と、乗ってくる。
『真紀子は、?』
真紀子は何を話そうか、ちょっと考えて、、
『麻縄で縛られて、エッチをする、、とか。』
『え、手をタオルで縛るとかじゃなくて、しっかりロープで?』
『なんて言うかな、亀の甲羅みたいな模様になるように縛るやつ。』
『え〜〜、それ本格的じゃん!』
そんな話題で盛り上がり、女子会はお開きになる。
家に戻って、真紀子は思う。
小松原の秘書として仕えるまでは、男性にモテず、経験もほとんどない自分に、劣等感があった。
でも、今日、女子会で彼女たちと対等に話が出きることが、ちょっと嬉しかった。
もちろん、セックスの経験と人間の優劣は何の関係もない。
でも、落ち着いて、同僚たちと向き合えるようになっている自分に気づいた。