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任務中なのに〜アパート張り込み編〜
【レイプ 官能小説】

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方言-2

山田は時計を見ると、

【もう少しで昼休憩だ、腹減った。】

と思いながら、寝坊して朝食を食べそびれたお腹をさすった。突然、捜査課の固定電話が鳴り、山田はビクッとした。慌てて電話を取り、

『捜査課です。ええ、こちらで良いですよ。』
『坂上さんですか、はい。被害に遭われた時と同じ方言を話している。うーん、そうですね。』

と返答に窮していると、

『山田君。』

と女性の声がし、とっさに受話器を手で覆い振り向くと黒のスーツ、黒のスカート白いワイシャツ姿の女性上司に、

『こっちで取るわ。』

と指示される。山田は、ウェーブした髪を額の上の真ん中から分け肩に届かない位の長さにした色白美人の上司を見ながら、

『すいません、上司に替わります。』
『少々、お待ち下さい。』

と話すと電話機の保留ボタンを押す。そして篠山悠子主任捜査官に、

『詐欺被害者の坂上さんと言う方が、詐欺の電話を掛けきた相手と同じ方言を話す若者を見つけ追っているそうです。』

と電話内容を伝える。悠子は、

『山田君、お昼行って良いわよ。』
『寝坊で朝食抜きでしょ。』

と山田に笑い掛ける。山田は、

『ありがとうございます。』

と言うと早速早足で部屋を出て行こうとしている。

悠子は、そんなおっちょこちょいな山田の事が結構好きだった。裏表も無いし、男社会の警察組織の中で女の自分に対しても敬意を示してくれる。

この前山田は悠子が居ないと思い、総務課より入手したと思われる悠子の健康診断のコピーを手に熱弁を奮っていた。

『主任の最新のスリーサイズが判明しました。』

他の捜査官より、

『大丈夫か、そんなの持ち出して。』
『バレたら懲戒物だぞ。』

等と言われるも、

『みなさんの最も知りたい情報でしょう。』
『僕は、その要望に応えたいのです。』
『主任は、155cm の小柄ながら何とバスト87cm ウエスト60cm ヒップ88cmのナイスバディです。』

と発表して他の捜査官達から、

『すげぇ、ボンキュンボンじゃん。』
『スレンダーなのに、デカパイとデカ尻か。最高だね!』

等との声が上がる。捜査課のドアの入り口近くで、溜息をつきながらこの捜査課で唯一の女性である自分が、性的に見られる事はまあしょうがないと諦めている悠子だった。

悠子が室内に入るとみんな静かになる。悠子が、

『山田君、私の体重言っていたら懲戒物だったわ。』

と言いながらビックリした顔の山田の手から健康診断の用紙を取り上げ、

『さあ山田君、他のみんなも私の机の山の様に積まれたデータ処理をやって頂戴。優しいペナルティでしょ。』

と笑うと捜査官達全員ガッカリした顔になり悠子の机に向かうのだった。

悠子は、その時の山田の顔を思い出すと自然と笑みが浮かぶ。


山田が出て行ったのを笑って見送っていた他の捜査官達に『シーッ』と言いながら自分の机の電話機の保留ボタンを押し話し掛ける。

『主任の篠山と申します。ええ、同じ方言を話す若者を見つけられたと聞いております。』
『もう少し、詳しくお話しをお聞きして良いですか?』

悠子は、そう言い坂上と話しを始めた。

その方言は、東北地方でもごく狭い範囲で使われる言葉で東京で聞いたのは詐欺の時と今追っているスーパーで見つけた若い男が話した2回だけだと坂上は、強調した。

悠子は坂上の今いる場所を聞き、掛け直すと言うと電話を切る。そして部屋の捜査官達に、

『聞いていたから解ると思うけど、限定的な地域で使われる同じ方言だと言う理由で動く事は通常は無い。』 
『その言葉は、日本全国探せば他の地域でも使われているかも知れない。』
『でも、坂上さんを騙した詐欺グループに関してはまるで捜査の取っ掛かりも無く難航しているわ。』
『何でも言いから、詐欺グループに繋がる情報が欲しいの。』
『なので坂上さんの追っている若者を確認してみましょう。』

と言うと二人の捜査官に坂上の居る場所を伝え車で向かう様に指示する。

悠子は坂上に折り返し電話をして、

『坂上さん、決して無理をしないで下さい。若い男が詐欺グループの一員の場合、非常に危険です。』
『今、捜査員達が坂上さんの所に向かっています。連絡が行くと思います。』
『十分に距離を取って下さい。』

などと注意を促す。坂上が、

『若いのがマンションに入って行く。』
『どの部屋か突き止める。』

と言うので慌てて悠子は、

『マンションに入るのは危険です。』
『相手にバレる恐れがあります。』

と止めるも坂上は行きたそうにしているので、

『せっかくの坂上さんの手柄がふいになりますよ。』
『詐欺グループ摘発のチャンスを逃すかも知れません。』

などと訴え何とか坂上がマンションに入るのを阻止する。

暫くして坂上の元に向かった捜査官達から坂上と合流出来たと報告がある。坂上は、外からマンションを見張っていたが若者が入る所を写メに撮っていた。

悠子は、坂上に電話を掛け捜査協力の礼を言い次に、

『この結果は、必ずお伝えします。ですが詐欺グループは、通常複数のアジトを持っております。』
『その為、詐欺グループの全容解明には長期間を必要とします。この事は、絶対に口外なさらないで下さい。』

と口止めを求める。坂上は快諾した。

坂上の元にいた捜査官によると、坂上は御満悦の様子だったと言う。捜査協力出来たと満足しているらしい。悠子は、

【学生達が部屋で只、麻雀とかで集まっているだけかも知れないけど。】

と思いつつ、その若者が捜査のきっかけになれば良いのにと思った。


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