朝の前哨戦-1
【朝の前哨戦】
翌朝、出勤する明と入れ違いに、彩花が翔を迎えにきた。
「おはよう。翔くん」
「お、おう」
登校にはまだ早い。玄関先で待たせていた彩花を、眩しげに見た翔はドギマギした。
昨晩、母親の春奈から聞いたが、このセーラー服の似合う可憐な少女が、昨晩の春奈並みに淫乱だとは到底信じられなかった。
「うふふ、今晩、楽しみね♪」
彩花はまるで映画を観に行くような感じでさらりと言っているが、それはセックスをすること、さらには隣同士の家族総出のスワッピングを言っているのだ。
そのギャップに、翔はなにかの間違いじゃないかと思うのは仕方がないことだった。
「そ、そのことだけど、マジなのか?彩花がそのぉ…」
ニコニコと微笑みかける少女に、なかなか面と向かって聞ける内容ではなかった。
「うふふ、あたしが凄くエッチで、翔くんとセックスしたがってるってこと?」
男と違って女は一旦腹を据えると潔かった。
「ま、まあ、それだ。彩花の可愛い雰囲気からにわかに信じがたいんだけど」
翔の言葉に彩花の顔がパァッと輝いた。
「可愛いって言ってくれたぁ♪嬉しいな、最近、避けられてるから嫌われてると思ってたんだよ」
避けたいとは思ったことはなかったが、照れとマスターベーションのオカズにした罪悪感がそうさせていたのだ。実際、意識した分、ますます好意は募っていた。
「彩花を嫌うはずないよ」
「ホント♪じゃあ、じゃあ、あたしが凄くエッチだって聞いても嫌いにならなかったの?」
これが一番気になるところだ。彩花は真剣な目で聞いた。
「ま、まあ、嫌いじゃないけど、彩花はホントにそうなのか?」
昨晩、暗がりの中で、服の上から胸は触らせてくれたが、それより先は許してくれず、さらには今の明るく健康的な彩花の笑顔には結び付かなかった。
「うふふ、ホントだよ。でも嬉しいな。毎日オナニーばかりしてるのがばれたら嫌われちゃうって、ずっと悩んでたんだよ」
爽やかに見える翔と釣り合わないと思いつつ、彩花は我慢できずにそれを日課としていた。だから、翔も同じ種類の人間だとわかったとき、なんとも言えない解放感を味わったのだ。
「ま、毎日なのか?」
まさか彩花からそんな告白されるとは思ってもみなかった。
「うん♪オナニー大好き。今朝も翔くんのことを考えながらしたんだよ」
彩花の顔が赤くなった。本当はそんな告白をするのは、凄く恥ずかしい。しかし、自分の本性を知り、同じ本性を隠さない智美や春奈を目の当たりにしたことで吹っ切れていた。
そんな彩花なので、翔が今晩の宴を意識するように、敢えて卑猥な話を仕掛けていた。
さらに、昨日の春奈からのメールで、翔が卑猥な女を好む傾向は想像以上だと教えられていた。その証拠のメールに添付されていた動画、両親の行為を見ながらマスターベーションをする翔の姿を観て、彩花は、もう翔の前では遠慮をしないことにしたのだ。
「マジか…」
翔も朝からマスターベーションをしていたのだが、朝から彩花も同じ行為をしていたことに驚いた。しかし、こちらは扱く最中に春奈に乱入されて、春奈の口の中へフィニッシュを決めていたことが少し違っていた。
翔の脳裏に、今朝、シックスナインで舐めた春奈の割れ目が過ったが、彩花の次の行為が現実に引き戻した。
「そ、そうよ、これが好きなの…」
彩花はセーラー服のスカートを捲り上げると、もう一方の手を白い下着の中に差し入れた。