罠を仕掛けましょう-1
【罠を仕掛けましょう】
「お帰り〜」
「た、ただいま」
学校帰りの息子の翔を出迎えた春奈の姿は、ノーブラの上に白いティシャツ、そして、太ももが露出したミニスカート姿だった。目の前に浮き出た乳首から直ぐに目を反らした翔だったが、その視線は春奈の太ももをチラチラと盗見をしていた。
翔がクラブを終えて帰宅していたので、直ぐに食事の用意をしなければならない。明が居ないこの時間から塾に行くまでの間が、序盤戦の勝負だった。
家事をこなしている途中、春奈の思惑どおり翔の視線を感じていた。
(うふふ、見てる見てる。ちょっとサービスしてあげるか)
春奈は定番の技を使うことにした。
「きゃっ!」
春奈は肘でコップを倒し、中の水を床に溢すと、翔が興味を引くように小さく悲鳴を上げた。
「ああん、ドジなんだからあ」
春奈は嘆くふりをしながら、四つん這いになると、床をゴシゴシと拭き始めた。もちろん、尻は翔に向けられ、スカートの中が見えるように高く突き上げられていた。この時の下着は白色を選び、割れ目が食い込むように、ウエスト部分を予め上に引き上げていた。
「うっ…」
見方によって、誘っている春奈の姿に、息を飲んだ翔の視線は釘付けになった。瞬時に勃起した翔は、ズボンの上から無意識にそれを擦っていた。
そして、露出体質の春奈の方も、その女体に変化が訪れていた。
(ああん、視線を感じるぅ。弄りたいよぉ)
春奈にとっては、このお預け状態もご褒美だった。こうして見られる悦びを味わいながら、春奈は夕食の用意を終えた。
翔の食事中、チラリと見た股間が、もっこりしていたことに、春奈は満足していた。
しかし、このままだと翔の好奇心は春奈の女体に向けられてしまう。春奈は微妙な舵を切ることにした。
「そうだ、翔」
春奈がノーブラの胸を強調するように、身を乗り出しながら声をかけた。
「な、なんだよ」
チラチラと乳首のぽっちりを視ていた翔は、視線を泳がせた。
「明日って、塾が休みでしょ」
「そうだけど」
「明日ね、お隣の彩花ちゃんの一家を誘って夕食会をすることにしたの。いいでしょ」
「あ、彩花も来るのか?」
翔は戸惑った。しばらく前まで、平気で行き来していたが、彩花の胸が膨らみ始めてからそれが徐々に変化していった。彩花の女体を想像して、マスターベーションのオカズにすることも多くなった。反対に彩花の方も、翔をオカズにオナニーをしていたが、これまでの2人は互いにそれを知る由もなかった。
こうして、思春期特有の照れにより、どちらともなく遠慮が出てきて、互いに気にしつつ、疎遠になっていたのだ。春奈にとって、そんな我が子の気持ちは手に取るようにわかっていた。
「うふふ、嬉しいでしょ」
「な、なに言ってるんだよ。別に嬉しくもなんともないし」
春奈がニヤニヤしながら聞くと、翔は赤くなりながらも否定した。
「あれ?翔は彩花ちゃんが好きだと思ってたけど、違った?」
「そ、そんなわけないだろ!」
声を荒げたが、真っ赤な顔はそれがウソだと物語っていた。
「あら、残念。彩花ちゃん、悲しむだろうなぁ」
春奈は、白々しく悲しそうな表情を浮かべた。