Wonderful◆Life-1
人は理不尽な待遇を受けたときにどのような対処をするだろう?
古今東西「仕方ない」と言い納得する人はいない。
例えば皆さんは幼なじみ三人に追い掛けられたことがあるだろうか?
多分そんな体験をする人は少ない
けど俺は違う
俺は常に逃げている
あの三人から………
[第一章 〜睡魔〜]
ある日の昼下がり
とある学校の校庭にある芝生に一人の男子生徒が横になっていた。
その少年の名を天野照(あまのてる)中肉中背中性な顔立ちである。
照は無防備に寝ていた。
もちろんのことだが授業はサボっている。というよりは食後に寝てしまい時間が過ぎてしまっただけなのだが……
照はある夢を見た
よく知っている三人が俺を追い掛けてくる
俺が全力で逃げている
息が苦しい。ここは夢の中なのに
リアルな夢だ、まるで鼻が塞がれているようだ
う、本当に苦しい。
誰かの笑い声も聞こえる
するとあまりの苦しさに目が覚めた
目の前には小柄な女子生徒がいた。
「あ、やっと起きた」
他に起こし方はなかったのか?
「なんだソラか……」
と、起き上がりながら言った
その少女の名は小日向ソラ(こひなた)
昔からこいつには迷惑している。
過去にクッキーと称した石を食べさせられそうになったし、みんなで出掛ければ真っ先にソラが迷子になるのだ。
俺は勇気を出して言おう……こいつは“悪魔”だ
閑話休題
「なんだとは失礼だね、せっかく起こしに来てあげたのに」
俺の頭が正しければ今の時間帯は授業中だ。
「ちゃんと先生に言ったから大丈夫だよ」
おそらく先生の許可をとってはいないだろう。
「ご苦労な事だな、じゃあ俺は寝直すから」
と言って俯せになる
「授業はどうするの?」
ソラが立ち上がり言う
「今更行っても遅いし諦める」
そのまま夢の世界に旅立とうとした。すると背中に何かの重みを感じた。
「この状態なら寝れないでしょ?」
それ以前に授業にも行けなくなるんだが……