Wonderful◆Life-2
「どいてくれ」
「授業に戻るならね」
それほど重くはないし本気を出せばソラを背中から落とすことも可能だが手荒な真似はしたくない。ここはやんわりと話を終わらせたい。
「重いからどいてくれ」
本当はまったく重くはないがソラが俺の心配をしてくれれば背中から降りてくれるだろう。
我ながら完璧な作戦だと思った
「じゃあ降りるね」
意外と素直な反応だ。
するとソラも横になり
「じゃあ私も寝る」
何を言いだすんだこのバカは
そしてソラは目を閉じた
「起きろよ、お〜い」
頬をペチペチ叩くがまったく起きない。
しつこく頬を叩くと
「ムニャムニャ……もう食べられない」
などと今となっては漫画でもお目にかかれない言葉を口にした。
しかし眠りにつくのが早い
「………俺も寝るか」
ソラを起こすのは無理と判断し照も目を閉じた
[第二章 〜嫉妬〜]
ここは照たちの教室。もちろん照とソラはおらず授業中である。
「遅い……」
高坂凛(こうさかりん)はかなり機嫌が悪かった。
愛しのソラは照を捜しに抜け出したっきり戻ってこない。まさか私がいないのを良い事に照がソラを………「照め、許さん!」
授業中であるにも関わらず大声を出してしまった。
「高坂!静かにしろ」
案の定教師に怒鳴られた。「すす、すいません」
凛は顔を真っ赤にしながら言った。
これもすべて照のせいだ!と、凛は思った。
高坂凛
外見を一言で言えば髪が長い日本美人。ソラに対し“そっち系”の感情を抱いている。過去に何度こいつに追われたことか………
もちろんこの紹介文は照が示したものである
キーンコーンカーンコーン
その後何事もなく(あるはずが無いのだが)授業が終了した。凛は二人を探しに行こうと教室を出ようとしたが急に足を止めた。
「蓮、お前も来い」
と、凛がアイマスクを着け眠っている男子生徒に声をかけた。
するとその生徒はアイマスクを外しゆっくりと起き上がった。
「面白いなら着いていくけど」
とその生徒、真田蓮(さなだれん)は言った。
その容貌は小柄でどことなく猫を思い浮かばせる。
「あぁ、最高に楽しいから私と来い」
「じゃあ行こうかな」
その瞬間凛は、やった、と思った。
すると蓮はなにやら自分のカバンから何かを取り出した。…………木刀だ
「これは必要かなぁ?」
「た、多分必要ないな…」笑顔で木刀を振り回す蓮に凛は少しだけ不安を覚えた