投票-1
ここは、とある私立の中学校。
中学2年生の女子生徒、三宮はいつも通りに学校へ向かった。
教室に入りしばらくするとチャイムが鳴り、担任が教壇に立つ。
そして突然、各クラスから1人の女子を投票で選ぶという話になった。
担任はそれについて詳しく話そうとはしなかったが、
あまり良い表情をしていないことは、何となく三宮にも分かった。
クラス内はその話題で持ちきりになり、投票が行われた。
言うまでもなく、投票は女子のルックスによって決められたであろう。
そしてその結果、数票の差で三宮が選び抜かれた。
突然行われた理由も分からない投票に、三宮は少し戸惑っていたが
それ以上に嬉しさが勝っていたのかもしれない。
朝から気を良くして授業を迎えた三宮であったが
2時間目の授業が終わったところで、三宮は職員室に呼び出された。
3時間目は保健体育の授業だった。
男子と女子は別のクラスに分けられ、授業が行われるはずだった。
しかし、なぜか三宮だけが男子の体育教師、武藤の元へ呼び出された。
三宮は職員室に入ると、武藤と共に教室へ向かった。
教室へ向かう途中、三宮は武藤になぜ自分だけが呼び出されたのかを聞くが
それについてはっきりとした答えは聞かせてもらえなかった。
そして教室に入ると、そこにはクラスの男子達が着席していた。
武藤は三宮に教室に入るよう指示をし、同時に男子達は三宮に注目した。
なぜこの場に三宮が入ってきたのか、男子達は困惑していた。
そして、それは三宮も同じであった。
なぜ自分がこの場にいるのか、全く理解することができない。
しかし、そんな空気を一掃するように武藤が全員に言い放った。
『今日の授業は、投票で選ばれた三宮に協力をしてもらうことにする』