オマケ【ピンクローターの怪】-3
4人が恐々とピンクローターを囲こむ少し前のこと。
「もう、こうなったのも、お母さんたちのせいよ」
ぶつぶつとつぶやく彩花は、自宅門扉の前に自転車を止めて、智美の居るはずの自宅に目を向けた。
「あれ?居ないのかな?」
普段、点いているはずのリビングの明かりが点いていなかったのだ。
インターフォンを押しても返事がない。
「やっぱり留守だ。もう!2人のせいで忘れ物をしたのに、いい気なものね」
両親のセックスのことが気になり、注意力が散漫になった彩花は、今夜の塾合宿で使うテキストを忘れしまったのだ。というのは彩花の言い分だ。実際は出かける前にしたオナニーが激し過ぎたため、その余韻で、ぼーっとなっていたのだ。
智美に届けて貰おうとスマートフォンを探したが、これも自宅に忘れていた。
「げっ、マジ…」
塾の固定電話から連絡しようとしたが、智美のスマートフォンの番号は覚えていなかった。辛うじて覚えている自宅の固定電話に掛けたが、営業電話の多い昨今、智美は普段から固定電話には出なかった。
「もう最悪」
彩花は仕方なく自転車に飛び乗り忘れ物を取りに帰ってきたのだ。
普段から財布に入れている鍵を使って自宅に入り、忘れ物を求めて階段を駆け上がった。すると、ブーンと何かが響くような物音が聞こえてきた。
「ん?なに?」
聞き耳を立てて音の元を探ると、それが両親の寝室からだとわかった。
「なんだろ?パソコンでも付けっぱなしなのかな」
その響くようの振動音は、熱を持ったパソコンの放熱ファンが回っているように彩花には聞こえた。
「もう!今日のお母さんはだらしないんだから」
彩花はパソコンを消そうと両親の寝室に入った。
「やだ、まだ、片付けてないじゃない」
寝室は昼間見たときのままで、セックスの後始末をしたウェットティッシュがベッドの上に散乱していた。
部屋に充満する男女の匂いにムッとした彩花が、そのまま部屋を出ようとしたが、その前にそれに気がついた。
「えっ?箱から?パソコンじゃなかったの?」
いつもの彩花なら怖くて近づけなかったはずだが、両親に対する怒りがそれを打ち消していた。それでも恐る恐る振動音を発している物、通販の箱の中を覗き込んだ。
「えっ?やだ、これって…」
箱の中で、智美が購入したピンクローターが震えていたのだ。
中学生の彩花でもその知識はあった。
「や、やだ、お母さんたら、こんなの使ってるの?」
オナニーをするときに読む、アダルトなネット小説の広告画面で知り得た知識、その効能を思い返した彩花の女体は熱く反応し始めた。
−母親が使った物−
その嫌悪感よりも、その効能を試したい気持ちの方が勝った。
彩花は手を伸ばしてそれを掴むと、既に濡れ始めて割れ目がクッキリと映る下着の上からそれを押し付けた。
「ああああん」
予想以上の刺激に、彩花は成長過程の女体を跳ねさせた。あまりの快感に怖くなったが、それでも彩花を止めることはできなかった。
本格的にそれを楽しもうとした彩花はスカートを、そして下着を脱ぎ、乱れたベッドに腰を下ろした。
智美に似た薄い陰毛に隠された割れ目が開かれると、クリトリスが浮き出すように、割れ目の上の部分を指で引き上げた。現れたクリトリスにそれをチョンチョンと押し付けた。
「ああああああん」
両親のベッドの上で身を捩る彩花。じゅぶぶぶと淫らな部分を震わせ、溢れた汁で両親のベッドに染みを着けた。誰も居ない部屋では遠慮する必要はなく、卑猥な喘ぎ声を響かせた。
「いい、いい、ああん、ああん」
しかし、彩花はそのまま絶頂を迎えることができなかった。その直前に、快感を与える振動がストップしたのだ。
「やあん、いいとこなのに、どうして止まるのよぉ」
彩花はその原因を確かめるために、愛液で汚れるピンクローターをしげしげと見詰めた。
本体には起動スイッチがないため、リモコン式だと気づいた彩花は、通販の箱の中を漁ってそれを見つけた。
彩花はにんまりと微笑むと、再びベッドに腰を下ろしてスイッチを入れた。震えるピンクローターが摘まんだ指先を心地よく振るわせた。
「うふふ、いい震動してるじゃない」
卑猥な笑みを浮かべた彩花はそれを淫らな部分に押し付けた。
「ああん、い、いい、ああん」
しかし、しばらくすると、またもや振動は勝手に止まってしまった。
ちょうどその時、隣家では亨が勝手に動き始めたピンクローターのスイッチを切っていたのだ。
こうして、隣同士で電波を飛ばし合い、同じ周波数で互いに遠隔操作されたピンクローターは、始動と停止を繰り返すのだった。