お隣へ-1
【お隣へ】
2時間後。
「い、いってらっしゃい」
智美はひきつった笑顔で、合宿に向かう智美を見送った。
「行ってきまーす」
彩花の方は、いつもよりも長くオナニーを楽しんだ後、シャワーを浴びて心身共にスッキリしていたので、素の状態を装いながら出掛けることができた。
「ふう、行ったか」
彩花の視界から隠れていた亨が顔を出した。
「もう!なに隠れてるのよ!誰のせいで気まずい思いをしてると思ってるのよ」
「すまんすまん。それよりも早く用意をしろよ。行くぞ」
上部だけの謝罪を口にした亨は、ニヤニヤしながら智美を促した。
「ホントに行くの?」
「当たり前じゃないか。それよりも智美、まさかその格好で行くんじゃないだろうな」
「えっ?その格好って」
智美は自分の姿を見下ろした。
シャツにジーンズ。
「えっ?隣に行くのにドレスアップが必要なの?」
「そうじゃないだろ。なんだよ、そのジーンズは」
ダメ出しをした亨は、智美のコーディネートのアドバイスを始めた。
10分後。
「ねえ、どうしてあたしがエッチな下着を穿かないといけないの?それもこんなに短いスカートで。まさか、あたしの下着姿を明さんに見せるつもりじゃないでしょうね」
亨は智美の恥態の動画を流しつつ、その弱味につけ込みながら着替えさせたのだ。それがどうしても納得できない智美が確認を求めた。
「そんなわけないだろ。何度も言うけど、智美がその下着を穿いてると思うだけで興奮するんだよ。昨日からヤリ過ぎなんだから、少し刺激を与えないと勃たないだろ」
食後に智美の目の前で、数種類の精力剤を飲んでみせた。しかし、いまだにその効果が出ていないのは、智美も確認済みだった。
「そ、そうだけど…。と言うことは、春ちゃんよりもあたしの下着の方が興奮するんだよね。春ちゃんでじゃなくてあたしで勃つんだよね」
智美が亨の目を見詰めた。
「当たり前じゃないか。昨日からヤリ過ぎだから、スパイス替わりに春奈さんの下着姿の観賞だよ。もちろんメインディッシュは智美だ。今晩もしたいんだろ。なら、オレの興奮に協力しろよ」
「う、うん…」
「じゃあ、早く行って、ご馳走をよばれて、春奈さんの裸を少し見たら、直ぐに帰ってヤリまくるぞ」
嬉々として玄関を出る亨の背中を見ながら、智美は嫌な予感しかしなかった。
ピンポーン♪
『はーい。ちょっと待ってね』
インターフォンからの春奈の明るい声に、智美はドキリとした。
(あのテンションの高さ。まさか…)
その高さは2人が卑猥な動画を撮り合ったときと同じくらいだった。
ガチャ…
「ああん、いらっしゃい♪」
扉が開いて春奈が顔を出した途端、智美は怖くなって目を閉じた。
「春奈さん、今日はお招きいただいてありがとうございます」
(ん?亨さん、普通だ)