モヤモヤする智美-2
シャワーを浴びた智美は、卑猥な下着が彩花の目につかないようにハンドタオルで包むと、全裸にバスタオルを巻いて浴室を出た。
「あら、彩花帰ってたの?」
「あっ、お母さん、シャワー浴びてたの?こんな時間に珍しいね」
「家事で汗かいちゃって」
智美の言い訳に、彩花が首を傾げた。節約家の智美は、汗をかいても昼間からシャワーを浴びることはなかったからだ。
「朝から働きどうしだったのね。お疲れ様。ねえ、お腹空いたよ。昼ご飯なに?」
「あっ!忘れてた!直ぐ作るから待ってて」
支度はなにもやってなかった。慌てて服を着た智美が一から作り始めたので、彩花はまた、首を傾げた。
(どうしたんだろ?いつもなら、帰ってくる時間に合わせて作ってくれてるのに…)
それでも家庭的な智美は手際よかった。さっと作ったチャーハンができる頃に亨も帰ってきた。
昼食を食べながら、彩花は両親の様子を伺った。
どんよりする母に、ニヤニヤする父。普段とは違う2人に彩花は違和感を覚えた。
「ねえ、なにかあったの?」
子供の言葉に両親揃ってドキリとした。
「「な、なにもないよ!」」
2人の声が重なった。
「なによ、シンクロで慌てなくてもいいじゃない。うふふ、昨日から仲がいいのね。お母さんたら優しくして貰ったお礼に、お父さんに高い物でもねだられてるんでしょ」
昨晩、彩花の帰宅後、腰砕け状態の智美に亨が付き添い、寝室に向かった。それを、彩花は【具合の悪いお母さんを優しく介抱した】と勘違いしていたのだ。その誤解は今朝の母娘の会話で智美は理解していた。その一方で、今朝の母娘の会話を知らない亨は、昨晩、寝室に入った後の3戦目の行為を彩花に気づかれたと思って慌てた。
「彩花、昨日の3戦目のこと知ってるのか!」
「ばか…」
つぶやいた智美は額に手を当てて目を閉じた。
「な、なによ、3戦目って」
彩花に怪訝そうな表情を向けられた亨は、自身の早とちりだと気づいて慌てた。
「あっ!ア、アレのことじゃないぞ!3戦目って言うのはだな。その、なんだ、え〜と。いてっ!」
テーブルの下で智美が亨の足を蹴った。
亨の慌てぶりと智美の態度、そして、昨日からの両親の仲の良さで、処女の彩花でもピンと来るものがあった。
(昨日のお母さんの疲れ具合って、ヤリ過ぎたってこと?3戦目ってことは、あたしが塾で勉強中に2回も…)
両親の性なんて想像したくもない。そのことに気づいた彩花に目を
反らす父と母は、実にわかりやすかった。
「もう!思春期の娘に変な想像させないでよね!バカじゃないの」
丁度、食べ終わっていたこともあり、苦言を言った彩花はそのまま自分の部屋に向かった。
彩花がなにも言わずに席を立たなかったことで、智美は彩花に助けられたと感じた。
(あんな風に言ってくれたから、反対に尾を引かなくて済んだかも)
さすがに今日は気まずいが、幸いにして、しばらくすると彩花は塾の合宿に出かける。1日開けば普段通りに接することができるはずだ。
「ふぅ…」
普段から彩花とのざっくばらんな関係性を築いていたことに、智美は安堵した。
一方、自分の部屋に戻った彩花は、普段感じない両親の性に触れて、言い様のない気分になっていた。その反面好奇心もある。
(さっきのお母さんて、初めから様子が変だったよね。シャワー浴びてたってことは、もしかしたら…)
それが気になった彩花は、部屋をそっと抜け出して、両親の寝室を覗いた。
「うっ…」
乱れたベッドの上に散乱するウエットティッシュ。まぎれもない男女の行為を連想させ、部屋に充満していた男女の匂いが鼻腔を擽り、それを裏付けていた。
「やっぱり、朝からもヤッてたんだ。てことは昨日から4回もヤッてたってこと!」
本当は5回だったが、彩花は呆れ返りながら部屋に戻り、ため息をつきながらベッドに寝転んだ。
「もう!こんな気分で、させないでよ!」
彩花はぶつぶつ言いながらスカートを捲って下着の中に手を差し込んだ。
「あっ…」
そのまま上着、そしてブラジャーをたくしあげて、乳首を摘まんだ。
「くっ…、ううっ…」
毎夜、楽しんでいるオナニーは、合宿のために今夜はできない。その分を出かける前にすることは、今日の彩花にとって予定事項だった。
予定と少し違うのは、いつもより高ぶっていることと、中指を滑り込ませた割れ目が弄る前から十分に濡れていることだった。
「はぁ、はぁ、はぁん…」
愛液の絡んだ中指の腹でクリトリスに円を描いた。
「あっ…あっ、あああ」
お互いに知らないが、母と娘のオナニー仕方とその喘ぎ声はとても良く似ていた。