食事会の誘い-2
「ホントにいいのか?でも、どうしてそんな話になったんだ?…………な、なんだって!智美が!」
声をあげた亨は、見開いたままの目で智美を見据えた。
「あ、あたし?」
この場合、自分が話題になることは、春奈と一緒にオナニーしたことしかなかった。
「ど、どうしたの怖い顔して。あ、あたし、お、お隣でオナニーなんてしてないよ…」
動顛した智美は、いつも以上にうそが下手だった。
「そう、そのオナニーだ。智美、それを春奈さんに動画で撮らせたらしいな」
「へっ?なにそれ?そんなのうそよ!撮らせた覚えなんてないよ。一緒にオナニーはしたけど…」
「撮られてるのに気づかないなんて、あるわけないだろ。そもそも、お前のスマホにも、お互いに撮りあった春奈さんの動画があるらしいじゃないか」
智美は額に手を当てて目を閉じた。
(あの露出狂め〜)
「どうなんだ?」
「そ、それはメールで勝手に送られて…」
亨は智美の言い訳を遮るように畳み掛けた。
「明さんがな、今朝、春奈さんから智美がオレに観せてないらしいって聞いて、自分だけ見て申し訳ないって謝ってたぞ」
「だって、そんな動画を撮られた覚えないのに、春ちゃんのだけ観せれるはずないじゃない」
智美が否定したと同時に、智美のスマートフォンにメールが入った。智美は反射的に手にしていたスマートフォンに目を落とした。
(えっ?春ちゃんから…)
「今、春奈さんが、明さんが観た動画を智美にメールしたそうだ。ちょっと見せてみろ」
「えっ?あっ!」
亨は通話中の自分のスマートフォンを脇に置き、戸惑う智美の手からスマートフォンを奪うと、メールアプリをタップした。
「あっ、ダメ!返して」
動画を撮らせた覚えは無かったが、よくよく考えれば、春奈ならば盗み撮りはあり得た。顔面蒼白になった智美がスマートフォンを奪い返そうとしたが、力で亨に勝てるわけはなかった。亨は煩そうに智美に背中を向けると、身体でガードしながら動画を開いた。
―あっ、あっ、す、凄いのおお、ああん、ああん―
卑猥な喘ぎ声が部屋に響いた。
「うそおぉ!」
信じたくはないが、紛れもない自分の喘ぎ声だった。
「お前、ピンクローターなんか使ってるのか」
「ち、違うの…」
―あああん!イク!イク!イクウウウ!―
「なにが違うんだ。これは智美じゃないか。派手にイキやがって」
画面の中で快感に女体を震わす女の動画を智美に向けた。
「ひっ!そ、それは春ちゃんのオナニーに釣られて」
「智美は人に釣られてオナニーするのか?それよりも、これを明さんが観たそうだぞ。どういうことだ!」
「ご、こめんなさい。撮られてるなんて知らなかったの」
悔しさと羞恥、それに情けなさに智美の目が潤んできた。
「まさか、オレも観たことのないローターのオナニーを明さんが観てたとわな」
しかし、ここで智美を責めるのは簡単だ。