女らしく【05】『彼女とお淑やかと変貌』-5
「なあ…ここは寮だよな…」
「そうだよ」
「それで…君はマコト……か?」
「うん。変かな…?」
今の私の格好は白いワンピース。ちょっとだけど、口紅も塗ってみた。
「………」
大和はしきりに目を擦っている。
「本当に…マコトか?何だその格好と化粧と口調は???」
「うん…女らしくしようと思って……どうかな?」
大和は答えずひたすらボ〜〜〜っとしている。
あぅ…そんなに…見つめないでよ…恥ずかしいよ…
思わず両手で顔を隠す。
「一体どうした!?何があった?」
「…別に何にもないよ……それより大和、私の部屋に来てくれない?話があるの」
「えっ……」
「…いやなの?」
大和は顔を真っ赤にしながら、あたふたとしている。
何か…可愛いなぁ♪
「来て…くれないの?」
奏に教わった上目遣い。
どう、大和…
「分かった!行くよ!!」
ようやく折れたみたい。
「じゃあ、行こ♪」
「ま、マコト!本当に一体どうしたんだよ!!」
あの女の人と同じ様にギュッと腕を抱き締める。
あんな人なんかに負けないんだから!!
「いらっしゃい♪」
「奏はどうしたんだ?」
「えっと…ちょっと外出中…」
ドアの外で覗いてるなんて言えないし……
「それより、大和…今日の私どうかな…?」
何か…私大胆になってる?
「えっと……」
「可愛い?女らしい?」
何だか、口が勝手に動くような気分。
まあいいか…
どうなの…大和?
「…言ったらどうしてそんなことしてるか聞かせろよ?」
うん…
「……なんか、いつもと違って見えるって言うか…まあ…その……」
大和の顔…真っ赤…
「似合ってる……か、可愛い……」
……今…可愛いって言った?
大和が私のこと可愛いって言ってくれた…
大和が可愛いって…
ああ…私もう死んじゃうよぉ……