おんぶ(1998年頃のいつか)-5
『勃起の後、射精が起こる。』
絵美の頭の中には、何かの本で読んだ知識が浮かんでいた。
実際の射精がどういうものかを絵美は知らない。
それでも、自分の背中で幼なじみの浩次が射精するのは
感覚的にイヤだった。
『自分で歩いてよ。』
と言えなくもなかったが、
浩次の生理現象を嫌うことになるみたいで気が引けた。
「急ごうね。」
絵美は急ぎ足になった。
すると、余計に浩次のペニスが絵美の腰にグリグリと擦りつけられる。
浩次が時々ずり落ちそうになるので、絵美は何度も浩次を背負い直した。
その度に、絵美の腰にペニスが強く当たって擦れる。
浩次は無言のまま顔を真っ赤にし、ただひたすら快感に耐えていた。
浩次も射精だけは避けたかった。
が、すぐに浩次の限界はやって来た。
「絵美ちゃん、やばい、やばい。」
浩次が訴えた。
その言葉の意味を絵美は直感し、立ち止まった。
「絵美ちゃん、
・・・ああ、だめだぁ・・・・・。」
浩次の体が一瞬ぶるっと震えた。
それと同時にペニスがビクンビクンと脈打ち、
水着の中に精液が放出されていく。
浩次は無意識のうちに絵美の体に力強く抱きついていた。
絵美の腰には、生まれて初めて感じるペニスの脈動が
はっきりと伝わってきていた。
絵美は、浩次の力が抜けるまで立ち止まっていた。
保健室はすぐ目の前だった。
絵美は浩次を背負ったまま再び歩き出した。
先程まで腰に押しつけられていたゴツゴツは無くなっていた。
その代わり、生温かい何かが水着に染み込んでくるのを
絵美は感じとっていた。