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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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お持ち帰りされる人妻 (6)-1

 カチャリ――。

 しんと静まり返った深夜の我が家に、寝室の扉が開く音。

 妻が入ってきたとき、時計の針はすでに午前二時を指そうとしていた。
 扉をそっと閉め、ベッドに潜り込んでくるゆき。風呂上がりのいい匂いがふわりと漂い、狸寝入りしている私の鼻腔をくすぐる。
 ふと匂いが濃密なったと思ったら、頬に妻の唇が静かに触れた。

「ただいま……」

 耳元をくすぐられるような心地よいささやき声。もう一度キス。柔らかな唇に温かな息遣い。愛されている実感に包まれながら、寝ぼけて起きたふりをしてみる。

「……ん……? あれ……?」
「あ……ごめん、起こしちゃった……」
「ん……んん、あ……ゆき……おかえり……」
「ただいま……」
「……いま、何時……?」
「二時」
「……ふーん、いま帰ってきたの……?」
「少し前にね。お風呂も入ってこれから寝るところ……」
「……遅かった……ね……」
「うん……ちょっと……」
「ん?」
「Fくんと……」
「あぁ」
「……Fくんとデートしてきたから……」
「そっか……」
「ごめんね……」
「いいよ、そういえば今日だったか」
「うん」
「遅いからそうかなって思いながら、寝落ちしてたよ。あはは」

 ゆきの頬に、うなじに、優しくタッチする。今朝も顔を合わせているのに、ずいぶん久しぶりな気がした。

「食事は美味しかった?」
「うん……美味しかったし、雰囲気も素敵なお店だった」
「さすがFさんて感じだね。あの人は昔からいいお店に詳しいんだよ」
「ふふ。パパ、奥さんの元カレに詳しすぎ」
「さんざん自慢されたから」
「妬いてるの?」
「妬いてほしいんだろ?」
「うん」
「妬いてるよ、オレは格好悪いデートばっかだったし」
「うんうん」
「そこは否定してよ」
「なんか思い出しちゃう。背伸びデートで挙動不審になってるOくん」

 ころころと笑うゆきに、今度は私からキスをした。
「リア充」彼氏とスマートなデートばかりしていたはずのゆきが、よく私のようなどんくさい男と付き合ってくれたものだと今でも思う。

 人付き合いでも仕事でも、物事の表面的なことに惑わされず「中身」を見ることができるのがゆきのいいところだが、そんな女性に選ばれて、当時の私が男としてどれほどの自信を得たことか。
 たしかにゆきは性に奔放すぎるところがあるし、夫に内緒で浮気するような小狡い一面も持っている。しかしそれを補って余りある美点があり、何より私と愛し合っている。私はやはり妻のことを嫌いになれないと思うし、だからこそ、このゆきが他の男に抱かれることに、身を切られるような嫉妬と興奮を感じるのである。

「あー、おしゃれなお店でデートするゆき、きっと綺麗だったんだろうなぁ」
 冬のOLファッションに身を包んだゆきは透き通るような美人で、毎朝見惚れては呆れられている。今日は食事前にメイクもデート仕様に直したりしたのだろうか。
「それを間近で見れたFさんが羨ましい」
「うふふ」
「でもよかったね。子育てしてるとなかなかそういうお店行けないから」
「そうね。今日はありがとう」
「デートも楽しめたんでしょ?」
「うん、楽しかったし、パパには悪いけどやっぱり懐かしかった……」

 互いの唇をついばむようにキスを繰り返す私たち。ゆきのパジャマの中に手を差し入れると、シャワーを浴びたばかりだというのに、肌はしっとり汗ばんでいた。

「あのさ」
「うん」
「Fさんと、ホテル行った?」
 ゆきが、私の顔色をちらりと伺った。
「……うん……行った……」
「そっか……じゃあエッチも……したんだよね、もちろん」
 遠慮がちに小さくうなずく妻。
「気持ちよかった……?」
「うん」

 ゆきの髪の毛に鼻を押し付けると、シャンプーの香りに混じってむせ返るような濃厚な人妻の匂いがした。

「俺と……するより……?」

 薄暗くてよくわからないが、ゆきが少し笑ったように思う。

「うん、パパより……気持ちよかったよ」
「そうなんだ……よかった……ね」
「うん」

 パジャマを脱がす。なにもしゃべらず全裸で抱き合うと、優しい気持ちが溢れてくる。そうやって私たちは体温の交換をしばし楽しんだ。

「ゆき疲れてるよね。休みたかったら言って?」
「ううん……ちょっと疲れてるけど、今はパパとこうしてたい気分」

 健気なことを言ってくれるゆきと見つめ合う。夫を愛しながらも他の男に抱かれてきた人妻の横顔は、かすかに疲労をにじませて、得も言われぬフェロモンを発している。

 ゆきの下腹部に手の平を這わせる。
「ここに、Fさんが入ってきたんだね……」
「うん……」
 キスをして、さらに聞く。
「フェラもした?」
「ん……」
 私と唇を重ねながらうなずく妻。ふっくら柔らかな唇が気持ちいい。Fの陰茎に密着した唇。亀頭の先端からカリ首、睾丸、そしておそらくは肛門までを丁寧になぞり刺激した唇。

「ゆき……」
「……」
「俺のこと、まだちゃんと好きでいてくれてる?」
「そんなこと聞かないで。ゆきはパパのこと、きっと一生嫌いになんてなれない」
「それなのにFさんとセックスしちゃうんだ」
「ひょっとしてパパ……ゆきのこと嫌いになっちゃった……?」
 不安そうな顔を見せるゆきが愛おしい。
「なってないよ。俺もゆきのこと、一生嫌いにはなれないから」
「もし嫌いになったらゆきもパパのこと嫌いになる……」
 ふふっと笑い合う私たち。
「俺の方こそいつも怯えてる。いつかゆきをとられちゃうんじゃないかって」
「そっか……そうだよね。安心して。ゆきはずっとパパのものだから……」


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