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七日目のプール
【青春 恋愛小説】

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クモの巣-2

―さみしくてたまらなかった。涼は日に日にあたしから離れていって、胸の痛みはどんどん強くなっていく。

一年生の冬、涼は彼女と別れた。彼女には別に好きな人ができたらしい。

二年生の秋にはその彼女が知らない人と手をつないでいるところを見た。隣のクラスの、崎山…崎山裕也君。とても幸せそうに見えた。

そして去年の冬、あたしはその人に、裕也に告白された。優しそうで穏やかな…涼とは正反対な人。




「苦しいよ…」

自分だけを認めてもらおうなんて虫のいい話だ。
涼を全部受け止めたらきっとあたしはおかしくなる。

「苦しいはずがないさ。これからは互いで埋め合えばいい」
足りないところだらけなのに?

「俺のことしか考えずに、ずっと側にいてくれよ」
涼はあたしを抱き締めながらそう囁いた。あれほど焦がれた言葉なのにあたしの心は嘘に気付いてしまって。それでも何も言えないまま間違いは続いていく。


誰にも言えないあたしの気持ち、あたしが信じ続けていることは言葉にすれば陳腐になってしまうから心にそっとしまい込んだ。18にもなって、てんで幼稚な思いのまま、あたしは涼に恋し続ける。


『涼はあたしの運命の人』

運命なんて聞こえはいいけど間違った恋愛を正当化する言葉にすぎないよ。



続く


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