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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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お持ち帰りされる人妻 (5) / 設定小ネタ:Oとゆきの恋人時代のセックス-1

 人妻として一線を越えてしまったゆきだが、普段の様子に変化はなかった。

 あの日の夜こそ、私とのセックスで多少ギクシャクした様子も見られたが、次の日からはもとに戻った。日常生活もいつもどおりで、私がひと目惚れした「ゆきちゃん」そのままの屈託のない笑顔で接してくれる。Zとたまにデートして帰ってくる関係も相変わらずであった。

 Fともここ数日新たな動きはなく、ポーチに仕込んだボイスレコーダーにも怪しい動きは記録されていなかった。

 むしろ音声記録で妻の職場での様子を垣間見ることで、あらためて惚れ直してしまうこともあるほどだった。
 相手が誰であれ気持ちよく接するゆき。それが媚びる風でも八方美人というわけでもなく自然体でできるのはひとつの才能といっていい。ときに無防備なほど誰にでも好意を持って接するので夫としてはやきもきしてしまうのだが、そこも天真爛漫なゆきの魅力につながっていた。

 新たな発見もあった。
 若い頃のゆきは、実務こそ完ぺきにこなすが、いわゆる優等生で皆の前に立つタイプではなかったはずだが、今やなかなかどうして堂々たるリーダーぶりを見せていた。中間管理職として誰にでもいい顔をしていられる気楽な立場でもないはずだが、メンバーの意見をよく聞き、相手を立てながら押したり引いたりしつつ着実に仕事を進めていく。上司でも部下でも同僚でも、自分の周りにゆきのようなメンバーがいてくれたらさぞ助かるだろう。

 こんな器量良しの美人OLが、会社を一歩出ると豹変し夫以外の男に「即尺オナニー」奉仕するのだからたまらない。ボイスレコーダーから「おつかれさまでしたー」と朗らかな挨拶が聞こえたその十分後には、涎を垂らしてZの男根を頬張り、よがり狂って挿入をおねだりする声が聞こえてくるのだ。
 この時期の私のお気に入りのオナニー方法は、ゆきの変態セックス動画を視聴しながら、片方の耳で妻の心地よい職場トークを聞くというものだった。

  *

 穏やかな日常が十日ほど続いた、ある日の夜。

 寝室で夫婦それぞれスマホを弄ったり本を読んだり、思い思いに過ごしていたときに、ゆきが話しかけてきた。

「ねぇパパ?」
「なに?」
「パパってさ。ゆきがパパ以外に、デートしたいって思う男の人がいても平気なの?」
「平気じゃないよ。平気じゃないから興奮するんだよ」
「ふーん」
「なに? Zと何かあったの?」
「ううん、いつもどおりだけど……」

 帰りにZと会っていたことは聞いていたし、実は今日はリアルタイムで一部始終を視聴してもいる。たしかにゆきの言うとおり、「いつもどおり」のデートだった。

 いつもどおり車に乗り込むなりZのペニスを咥え、今日はディルドを手に取りオナニーを始める。続けて、Zに請われるがままに愛液にまみれたディルドを肛門に挿し込み、恥じらいつつも手慣れた様子でアナルオナニーを楽しんでいた。
 最後は車内で慌ただしく挿入。適当な地下駐車場でディルドをアナルに突っ込んだまま、ゆきはZに犯された。
 そう、なんてことのない、いつもどおりの――私からすればいつもどおり地獄の――デートである。

「……にしてはなんか言いたそうじゃん」
 さっきからもじもじして意味深な笑みを浮かべているゆき。やはり何かある。
「怒らないから言ってみ?」
「怒られるようなことしてないもん」
「嘘だ、なんかあるだろう?」
「なんにもないよ。ただFくんに食事に誘われちゃっただけ」

 心臓がドクンと音を立てる。そうきたか。

「そっか。ついに誘われたんだね」
「うん。まだ返事はしてないけど」
「どうするの?」
「久しぶりだし、パパさえ良ければその、一度くらい食事してもいいかなって……」
「食事って言っても、それだけで終わらないだろう?」
「えー? お互い既婚者だし……」
 こういうことをしれっと言ってのけるのだから恐れ入る。
「わかってないな、ゆき。既婚者同士だからこそ後腐れなく割り切ってホテルに行けるんだよ」
「なにそれ、パパ浮気の達人みたい」
「まあな」
「したことないくせに。どうせネットで聞きかじった知識でしょ?」
「ぐぬぬ……」

 妻にまったく浮気を疑われないというのも男として少し情けない。そんな草食男子の心の機微など、「人生ずっとキラキラ女子」だったゆきには到底わからぬ世界だろう。
 今もニコニコと無邪気に柔らかな乳房を押し付け腕に絡みついてくる。

「ホテルに誘われちゃったらどうしよう?」
「なんかゆき、ウキウキしてない?」
「そんなことないよ……パパこそ興奮してるんでしょ?」
「ぜ、ぜんぜんしてないし」
「じゃあもしゆきが誘われたら?」
「行かないでほしい」
「おちんちんこんな風にして言われてもねー……」

 固くなった股間を触られて、二人して吹き出してしまう。
 行かないでと言って、ゆきの行動を見たかったのに、下半身がこれでは逆に背中を押してしまったかもしれない。ちょっと目先を変えよう。

「まぁでも。Fさんに誘われたこと、言ってくれてありがとな」
「どうしたの? あらたまって」
「だってさ、なんなら黙ってデートしちゃうことだってできただろう?」
「あー……うん。やっぱりそこは、言わなきゃと思って」

 私の軽い揺さぶりに、軽く目を泳がせ言い澱むゆきの様子にゾクゾクしてしまう。夫には言えない秘密を持つ人妻のなんと唆ることか。

 実際今回の報告は妻なりの誠実さなのかもしれないが、一方では、ゆきが常に清廉潔白な女というわけでもないことを、ここ半年で見せつけられてきた。
 今もそう。すでに一度Fと浮気したことを打ち明けるつもりはさらさらないようだ。肝心なところは秘したまま、誠実さを装いFとの関係は続けていきたいと虫のいいことを考えているのだ。


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