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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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お持ち帰りされる人妻 (4)-2

 股間の違和感で目がさめた。
 ニチャニチャと隠秘な音とともに、膣襞が熱いものに擦り上げられ、下半身に鈍重な刺激が広がる。寝ぼけて自分がFとまだホテルにいるのかと一瞬焦ったが違った。夫が自分の中に入ってきているのだ。荒い息遣いでゆきの尻を後ろからがっしり捕まえて、一心不乱にペニスを出し挿れしている。

 夫婦の営みが一度は終わって寝ていたはずなのにどうしたのだろう。夫に求められ愛されるのは嬉しいが、しかし今日に限っては、もうおとなしく寝かせてほしかった。Fと終電間際までセックスして疲れているのだ。酒も入っている。おまけに帰宅後、夫の相手まで務めた。夫への申し訳無さで辛いセックスだった。

 浮気の後ろめたさだけではない。夫のペニスのあまりの挿入感のなさにがっかりしてしまったのだ。不倫妻の分際でそんな事を考えている自分が嫌になったし、それでもどうしようもない圧迫感のなさに泣きたい気持ちになった。
 いつもならここで、「パパのおちんちんじゃ全然気持ちよくない」「ZくんやFくんのはもっと太くて長いんだよ……」などと寝取られプレイを始めるところだ。「ゆきのおまんこをぎゅうぎゅうに拡げてくれるの」「子宮をツンツンされると下腹部がきゅうって切なくなって中に出してほしくなっちゃう……」。そんな言葉で夫を挑発すれば、サイズ不足を補って余りある興奮を二人で共有できるのだが、今日はとてもそんな気になれなかった。

 罪悪感のせいか、そわそわ集中できない中でのセックスでは、夫のペニスに対する失望ばかりが先に立ち、それがまた申し訳なく、もっと感じてあげなければと焦れば焦るほど気持ちは冷めていった。憐れな夫に、せめて惨めな思いはさせまいと、久しぶりに感じている演技もしてしまった。早く終わってほしいと思ったのは、十五年間の夫とのセックスで初めてかもしれない。

 そのいっぽうで、こんな女にしたのは夫ではないかという恨めしい気持ちもあった。愛する夫に、「他人とセックスをさせられる」という過酷な性体験を重ねてきたのだ。今でこそZとは自発的に関係を持ってはいるものの、元来常識的な貞操観念をもつゆきにとって、完全に納得ずくでこの危険な火遊びを続けているわけではなかった。ただ夫からは得られない性的快楽に溺れ、依存していく自分を止められないだけなのだ。
 救いは夫婦関係がますます良好で、仕事や家庭にも問題が生じていないことである。むしろ多少問題が生じたほうが、爛れた関係を清算するきっかけになるのではと思うくらい、誰にも迷惑をかけず誰も不幸にならない環境の中で、ゆきは夫ではない男に抱かれ続けた。
 なにより、異性としての魅力に溢れたZとの婚外恋愛は、久しぶりに味わう甘酸っぱいときめきをゆきに与えてくれた。乱れた性生活を正すチャンスは今日まで遂に訪れず、貞操が緩みきったところでFに再会してしまった。

 そう、だからFと浮気したのも夫のせい――そう思い込むことで、ゆきは良心の呵責をごまかした。

 二度目だというのに、夫はあっという間に射精した。起きて喘ぎ声を出してやったほうが良いだろうかと考えるまもなく、ショーツを穿いたままの尻に発射されてしまった。物足りないペニスの挿入感ながら、乱暴に尻を突かれゆき自身も淫猥な気分が出てきた矢先のこと。勝手に挿入した挙げ句に、さあこれからというところで勝手に射精し、後戯もせずさっさと寝息を立て始めた夫にゆきは少し苛立った。

 火照った身体をもてあましたゆきは、いたたまれずトイレに入り自らを慰める。目を閉じると瞼に浮かぶのは、今日のFとの刺激的な性行為だった――。


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