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Sweet Fragrance
【青春 恋愛小説】

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Sweet Fragrance4-2

――あたし、今、変わってるんだわ。


その日の放課後。
「ねぇ、まどかちゃん。」
「はい…!」
あたしが声をかけると中西まどかは怯えたような表情を見せた。それはそうよね、あたし派手だし、クラスも違うし、しゃべったことないもの。おとなしそうなこの子が目立ってるあたしに呼び出されてるからかな、周りの人もこの子も変な顔してる。
「ここじゃ言えないわ、ちょっと来て。」
あーあ、まどかさんのお友達さん、そんな不安げな顔しなくてもいいのよ?
まどかがついてきているのを感じながらあたしは廊下を歩く。どうしてあたしと並ばないのかしら。3歩後ろを歩いてる。あたしたちは校舎裏に続く花壇横に差し掛かっている。校舎裏。告白と…いじめの場所だ。不意にまどかが動かなくなった。振り向く。
「どうしたの。」
「あの…ゆかりさん、怒ってたらごめんなさい。あの、誤解です。私、永井くんとは付き合わないんです…」
かわいそうに、この子、あたしにいじめられると思ってたんだろう。花壇横に差し掛かって、校舎裏にはあたしの仲間でも待ち構えていると。教室からそんな不安を抱えていたのに、ずっとついてきたこの子って…強い。
「うふふっ、まどかちゃんの誤解よ。あたしそれは知ってるし、達也のことはもういいし。…素敵なことが待ってるのよ。」
「ほ、ほんと?」
「うん、向こうも緊張して待ってるんだから、早く行こっ。」
彼女を促して並んで歩く。
校舎にもたれて、長谷川泰介は立っていた。
「長谷川くん、まどかちゃんよ。」
すごく緊張してるみたい。「まどかちゃん、優しくしてあげてね」
まどかにささやく。
「じゃあね長谷川くん。」
「行くん?」
居てほしいっていう響き。「頑張って。」
ここから先はご自分で。


先に教室に戻ったあたしのもとへ、メールが舞い込んだ。

<FROM>長谷川泰介
<TITLE>無題
<MESSAGE>
ゆかりちゃん、ありがとう。


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