凛々子と少年 -ある春の日の出来事-(2020/04/19)-11
「チャックで挟んだところは痛くない?」
凛々子は身支度を整えている浩平に声をかけた。
「・・・・は、はい。
大丈夫・・・です。」
浩平はまだ息が上がっている。
「そう、良かったわ・・・。
全部大丈夫だったので、一安心。
でも、思ったよりも、時間がかかっちゃったわね。
若菜が待っているから、早くリビングに行ってあげて。」
「・・・・・はい。」
浩平は軽くお辞儀をすると、凛々子の部屋を出ていった。