思い出はそのままに-10
「はあはあ・・・すごいよかったよ、菜美」
健太が菜美にキスした。菜美は放心していて、反応がない。
「うわっ! すごい血だっ! なんだこりゃっ」
「ははっ、いまごろ気づいたのかよ、健太。そうとう夢中だったんだな」
「おい、これ大丈夫なのかよっ!」
「大丈夫だよ。これぐらいじゃ、死にはしないさ。まあ、初めての記念って所かな」
「ふーん」
祐樹の言葉に健太は頷いたが、菜美の出血はひどい。とても、大丈夫には思えなかった。
「祐樹、俺、中に出しちゃったけどよかったかな?」
「大丈夫さ。まだ、初潮はきてないって言ってたからね」
「そうか」
健太が、菜美の秘部を広げて中を覗く。菜美は抵抗しようとはしない。まだ、放心したままだ。
「おー。出てきた、出てきた。いっぱい出したんだなぁ、俺」
浩之はファインダーを菜美の秘部にあわせると、アップにする。
健太によって広げられた秘部から、血と混じった精液が、ドロッと流れ出してきた。
「ほらっ、兄ちゃん。すごい、出したでしょ」
「ああ・・・そうだな」
健太は、興奮したように浩之に言った。健太は、ただ言っただけなのだろうが、浩之はばかにされたような気がした。
「さあっ、武士。なにボーっとしてるんだよ。次は武士の番だよ」
祐樹が言った。
「えっ・・・ボクは、いいよ・・・」
「なに言ってんだよ。祐樹の言うとおりさ。次はおまえの番だ。菜美の中、気持ちいいぞー」
「え・・・でも・・・」
「なんだよ。俺が中に出した後すんの、そんなにいやなのかよ。わりぃとは思ってるけど」
「そ、そんなんじゃないよ・・・」
「武士。やれよ」
祐樹が睨む。武士はうつむくと、菜美の足の間に腰を降ろした。
「そうだよ。武士のちゃんと勃起してんじゃないか。健太がやってるのを見て、興奮してたんだろ」
武士は何も言わず、菜美の秘部に、ペニスを押し込んだ。
「ううっ・・・きもちいい・・・」
「だろ。菜美の中、最高だよな」
菜美は挿入されたが、全く反応がない。それでも、武士は気持ちがいいのか、止めようとはしなかった。
「菜美・・・」
美奈が、つぶやくように言った。それには、どうしようもないやりきれなさが感じられた。
「ああっ・・・でる、でちゃうううっ!!」
「ははっ、武士、早いなぁ」
武士が、菜美の中に出した。菜美は、あいかわらず反応はなかった。
「お兄ちゃん、どう? 楽しんでくれた?」
祐樹が笑った。
『謝れ』と言う声が聞こえる。ぶち殺してやる。浩之はあの時、そう思った。だが、浩之は黙って頭を下げた。子供たちは、浩之を笑った。浩之を見下したような目をしていた。
思い出すと、全身の血が沸騰する。耐えがたい怒りが湧き上がる。
祐樹は、浩之をばかにしている。浩之を見下している。浩之を笑っている。ぶち殺してやる。祐樹は、絶対にぶち殺してやる。
そう思っても、祐樹と目をあわすことは出来なかった。