嘆き-1
「義母さん今日はどこへ行きましょうか」
「どこへでも、樹さんに任せるわ」
「それじゃあ真浄寺の方へ行きましょう、とてもいい所ですよ」
樹は夕べの情交を思い出しながら思わずニヤリとした。
「何を考えてるの・・」
静枝は樹の笑みを見逃さなかった。
「想像に任せます」
「いやな方、どうせいやらしい事考えてたのでしょう」
「分かりましたか、義母さんもですか?」
「いやだ、私をいじめないで」
「でも義母さんの肉体は男にとって魅力的ですね、腰使いなんて凄くいやらしいですよ」
「そう、でもあんなに攻められたら自然に動いてしまうの」
「やはり義母さんは好きなんですね、バイブなんか持ってるんだから」
「もう・・恥ずかしいわ」
「どこで買ったのですか」
「アレのこと・・・通販よ、主人が淡白で物足りなかったの、だから・・・」
「そうなんだ、ご主人が亡くなる前からでしたか僕はてっきり未亡人になられてからかと思いました」
「男の方はどうなの」
「僕の場合はマスターベーションですよ」
「手でするのかしら」
「照れくさいなあ・・シリコンホールの場合もありますよ」
「気持ちいいのそれ」
「そりゃあ気持ちいいです、でも今は義母さんが最高です」
「まあ、いけない方」
そんな会話をしながらドライブを楽しむ二人だった。
ふたりが帰ってきたのは5時を過ぎていた。
「ただいま」
玄関から入ってきたのは静枝だった。
「・・・・・」
「ありがとう、樹さんが真浄寺の方面まで連れて行ってくれたの、いい所ね」
静枝は上機嫌だった。
後から樹も明るい顔で入ってきた。
(何よこの二人、私に隠れて何してるんだか)
「薫、ゆっくり休めただろう、今日は義母さんも楽しんでくれたよ」
「・・・・・」
「どうしたんだ、身体の具合でも悪いのか」
「いいえ、どうもしないわ」
冷たい視線を樹に投げかけながら台所にたった。
静枝は部屋に入って暫くしてから着替えて出てきた。
「薫、ありがとう、後は私がやるから休んで」
「そう、私二階に上がってるから」
そう言ってエプロンを外すと二階へ上がっていった。
「薫どうかしたのかしら」
「気にしなくてもいいですよ、彼女も結構楽しんでいるんですから」
静枝は慣れた台所で夕食の支度を始めるのだった。
「樹さん食事の用意できたから薫呼んできてくださる」
「はい」
樹は二階に上がり薫に声をかけた。
「先に食べてて後に行くわ」
暫くして二階から薫は降りてきた。