保健教師 莉子 -保護者・美久からの相談-(2020/03/15)-3
「・・・・練習、ですか?」
莉子の申し出に、美久は驚きの表情を見せた。
「そうです。
練習です。
例えば・・・・・・。
お母様。
ペニスと言ってみてください。」
「え?」
美久の頬が赤くなる。
「お母様。
ペニス、です。
言ってみてください。」
莉子は、はっきりと大きな口調で美久に言った。
「は・・・、はい。
・・・・・・・ぺ・・・ぺに、ペに・・・。」
美久は聞き取れないくらいの小さな声で「ペニス」と言おうとしたが、
まともに発音することはできなかった。
「お母様。
急に無理なお願いをして、申し訳ありませんでした。
お母様は、やはり、ペニスなどの言葉を恥ずかしく感じてらっしゃいますね。」
「・・・・・・、
・・・・・・すみません。」
美久が下を向く。
「いえいえ、お母様。
お気になさらないでください。
まだ慣れていないだけなんです。」
「・・・・・はい。」
「では、お母様。
ご自宅でトオルくんに正しく伝えるために、
これから、その類の言葉を言う練習をしましょう。」
* * *