トラブル発生 合宿中止?!-1
入浴タイムが終わり、メンバーたちは、
みんなすっきりとした顔でレストランへと集まってきた。
浮かない顔をしていたのは旬とたか代だった。
「あれ?どうした?旬。元気がないぞ?」
「ほんと。なんだか顔色も悪いわよ。」
「ゆっくり風呂入ってリフレッシュしなかったのかよ?」
「それともまさか、松先生とずっとしてたのか?」
「それはさすがのオレでも無理〜。」
「二人一緒もいいけど、やっぱり一人ノンビリっていう時間も貴重だったわよね。」
「そうそう。男子と混浴してたらお肌のケアも十分にできないもの。」
「そりゃあそうよ。男子の勃起したペニス見ながらスキンケアなんて、
ありえないじゃん。」
「鈴は倫也のを握ってたからじゃないの?」
「あのねえ、華だって流星に責められ続けだったんでしょ?」
「わたしたちは、一人ずつゆっくり入浴して、そのあとは仮眠をとったわ。」
「ほんとに?」
「ほんとよ。今更隠してもしょうがないでしょ。」
「松先生はどうしてたんですか?」
「あれ?松先生、どうしたの?」
「先生も顔色悪いよ。旬と何かあった?」
「あ、ええ、いや、その、」
「どうかしたんですか?松先生。」
「あ、中野さん。あのね、実はね。。。。。。」
「・・・・え〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「どうした?どうした?」
「合宿が中止になるかもしれないって。。。。」
「な、な、な、なんだよ、それ。」
「先生、どういうことなんですか?」
「あのね、電話があったのよ。大学の方から。」
「この合宿所の?」
「ええ。台風の直撃が予想されるっているのは知ってるでしょ?」
「はい。それで今夜のキャンプファイヤーも中止に。」
「でね、おそらくは明日から明後日にかけて、台風はこの辺りを直撃しそうだって。」
「はい。天気予報でもそう言ってました。」
「かなり大型の台風だってな。」
「まさか、避難しろって?」
「そうじゃないの。ここは周りにがけ崩れが起きるような場所もないし、
むしろ避難所としても使えるくらいで。」
「避難所に?あ。ってことは、ここが避難所として使われる可能性がある、
そういうことですか?」
「そうなの。近隣に大きな被害が出た場合にはね。」
「じゃあ、わたしたち、今、ここから出なきゃいけないんですか?」
「ううん。それはかえって危険だわ。
それに避難所になるのは今すぐっていうことじゃないの。」
「今すぐじゃない?」
「ええ。もちろん被害状況によってだけれども、
この合宿所は行政指定の避難所ではないの。
だから近隣の住民は、それぞれ指定の避難所へ避難する。
けれど、その避難所が危険になったときとか、
避難生活が長くなったり収容しきれない人たちが多く出たりしたときには、
ここへ避難してきてもらう可能性もある、ということなの。」
「・・・・・・」
「だから、台風が通過するまでの明後日一杯までは、
今まで通りに自由に使えるけれど。」
「そのあとは避難してくる人がいるかもしれないってことですか?」
「ええ、そういうことになるわ。」
「そうなれば、当然、大きな部屋は使えない、ってこと?」
「じゃあ、個室は?えっ?じゃあ、もう華とは寝れないってこと?」
「わからないわ。とにかく、保証されているのは明後日の夜いっぱい。
次の日の朝からは避難所になる可能性が高い。」
「じゃあ、おれたちの合宿も、今夜を入れてあと実質3日ってこと?」
「ごめんなさいね、中野さん。」
「あ、いえ、そんなの、先生のせいじゃないし。」
「そうだよ。先生がいたから、こんなスゲーところに泊まれるんだしさ。」
「でも、だったらまた予定を大幅に変えなくちゃ。」
「そうだよな。せめて一回は全員と一緒に過ごしたいもの。」
「せっかくだから、わたしも男子みんなのスケッチがしたいし。」
「ぼくも、女の子全員の顔、描きたいな。」
「じゃあ、とにかく予定変更で、これからの予定、考えよ。」
「いずれにしても、食ってからにしない?」
「そうじゃそうじゃ、腹が減っては戦はできぬわい。」
「おまえ、いつの時代の人間だよ。」
「まあまあ、そうおっしゃらずに。」
「とにかくいただきま〜す。」
「いっただきま〜〜す。」
夕食後の緊急全員ミーティングでは、
短い時間ながらいくつもの事柄が全員一致で決定した。
以下がその主な内容だった。
1 合宿は全体で3泊4日に縮小。
2 4日目の朝から、住民受け入れの準備に入る。
3 避難所開設期間はボランティアとして住民の手伝いをする。
4 避難所開設期間中は男女別にそれぞれ一室を5人で使用する。
5 学園祭が始まっても避難所が開設されている場合は、
ここでボランティア活動を続け、それをもって3年C組の発表とする。
6 今夜から4日目までを、4時間を1コマ(トータル7コマ)とした部屋時間として
合宿を継続する。
7 夜間の部屋移動を可とする。
8 4日目朝までのドレスコードはО(全裸)
9 部屋のローテーションは継続。
10 避難所閉所の翌日、すべての活動を終了とする。【帰宅】
11 状況に応じて臨機応変に対応していく。
12 これをチャンスとして、3Cのチームワークを高めよう。