F星人-1
ノラが階下へ降りて行った時、客待ちをしている娼婦はいなかった。
そしてそこには初めて見る異星人がいた。
体はスライム状、その形が一番安定するのかガラスに落ちた水滴のような形になっている、その天辺にラグビーボール状の頭部が乗っている、頭部は強化プラスチックで覆われていて、目の部分はクリアブラック、サングラスのようにそこを通して見ているのだろう、口の部分には2センチほどのスリットが開いているだけ、おそらく頭部もスライム状で脳を守るためにカバーを付けているのだろう、手足は体に隠れているのか見えない。
そして、その姿と同じくらいインパクトがあるのがその巨体ぶり、おそらく300キロはあるに違いない。
(やばっ……)
そう思ったが後の祭り、女将に捕まってしまった。
「ちょうどいい所に来てくれたね、ノラ、この方のお相手を頼むよ」
(うへぇ、カンベンしてよ……)
正直そう思った、いくら何でも地球人とはかけ離れた姿、どんなセックスになるのかも想像できない、そもそもこの巨体だ、のしかかられたら潰れてしまいそうに見える……できれば相手をしたくない。
それが顔に出てしまっていたのだろう、女将が耳打ちして来た。
《まあ、尻込みするのも無理はないけどね、でもあたしもF星人さんのお相手をした事が何度かあるんだよ、そりゃもう凄いんだよ、気を失うくらいに良いんだよ》
そう言われても……そもそも今日はもう5人目だから気を失うくらい感じたくもないが……。
ノラが返答に困っていると、女将は更にささやきかける。
《大丈夫、F星人はすごく知性的でジェントルなんだよ、お相手してみればまた指名してもらいたくなること請け合いだよ》
ノラはこの女将には恩義がある、無碍に断るわけにも行かないし、仕事には厳しいが信用できる人でもある。
「わかったわ……お客さん、2階へどうぞ」
一体どうやって階段を上がるのかと思ったが、体の下部を器用に動かして這い上がって来る、ドアも通れるのかと思うほどの巨体だが、変形自在の体でするりと抜けて来た。
「ええと……」
「服のことかな? 我々F星人は母星でも服は身に付けないんだ、体の形が決まっていないからね、服など着ていたら変形できないだろう? そもそも窮屈でたまらないんだよ」
強化プラスチックのカバー越しなので、スリットは空いているとはいえ少しくぐもった声にはなっている、だが喋る調子から確かに知性的な印象を受ける。
「君の服は私が脱がせても良いかね? 地球の女性の体と言うのは実に美しい、芸術的だと言っても良いね、服の上から見ても君は特に美しい体を持っていそうだ」
「あ、良いですよ、お願いします」
するとF星人の体からスルスルと触手が4本伸びて来て紐を解き、同時にガウンを肩から滑らせる。
「思った通りの見事なプロポーションだね、実に美しいよ」
そう言ったかと思うと、もうあと8本の触手が伸びて来て、ノラの体を絡め取った。
「一体……」
「腕のことかな? 12本あるよ、見ての通りそれぞれに指が2本づつある、使う必要がない時は体の中に吸収されているがね」
正直なところ、階下で見た時は『気持ち悪い』と感じた、だが、触手はほんのりと温かく、別段ヌルヌルしているわけでもない、表面は滑らかで柔らかく、しっとりと肌に吸い付くようだ、そして抱き寄せられたかと思うとF星人の体は平たく広がってノラの体を包み込む……その感触は触手と同じように滑らかで肌に吸い付くよう……そしてノラの体に触れている部分がざわざわと波打つ……全身を同時に愛撫されているようだ。
(女将さんが言う通りかも……気持ち良い……)
ノラが体の力を向いて身を委ねると、体はノラを包み込んだまま、その中で触手が体を這い廻る……地球人の感じるところをちゃんと知っていて、しかもソフトタッチ……触手に触れられていない部分も吸い付くような波打つ肌に包まれている、ノラはたちまち逝きそうになってしまう……と、触手が胸元から這い出すように伸びて来て、唇を撫で、耳の穴までも愛撫して来る……そしてノラの体を包んでいるF星人の体の内側でも触手が愛撫を強めて来た。
乳首は触手の先の指でつままれてコリコリと刺激され、同時に乳房も揉みしだかれ、脇腹から腰に掛けて2本の触手が交差するように巻きつきながら擦るように動き、その先の指で尻の肉を揉みしだく……。
「あ……」
膣にも触手の先端が侵入して来た、触手もスライム状で太さは決まっていないようだ、ノラの膣にぴったりと収まる太さになって小刻みにピストンを繰り返す、そして先端の指が子宮口をあくまでソフトに刺激して来る。
それとは別の触手がクリトリスをソフトにつまんで刺激し、また別の触手アナルに侵入して来る、こちらも太さがノラの直腸にぴったり、そして先端の指が中でうごめき、唇を撫でていた触手は口腔に進入して来て舌を絡め取る……。
「あふ…………」
ノラはあっという間に絶頂へと導かれ、背中を強く反らせた……すると間髪を入れず、触手とはまた感触が違う、ヌルヌルしたものが膣に挿し込まれて来てゆっくりとピストンを始めた……それがF星人のペニスなのだ、膣をぴったりと隙間なく埋め尽くすが、ノラの膣にジャストサイズなので痛みは全くない、長さは他の触手と同様変幻自在で、しかも自在に動き、ひねりまで加えて来る。
「あ……あああああ……あああああああっ」
ペニスの先端に子宮口を探り当てられた、するとペニスは粘液を分泌しながら子宮の中へと侵入してこようとする。
「だめ、逝っちゃう、そんなことされたら……ああああああっ!」
たっぷりと粘液を分泌したペニスは子宮内へと入り込んで掻き回し始める。
「&%#+*=‘$……」
ノラはもう自分が何を言っているのかさえもわからなくなり、意味不明な声を上げ続け……ふっと意識を失った……。