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スペースコロニーN-335第一娼館
【SF 官能小説】

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F星人-2

「気が付いたかね? すまない、君の体があまりに素晴らしかったんで、私もつい昂奮してやり過ぎてしまったようだ」
 目が覚めるとそこにF星人の顔があった……ノラを休ませようと、巨体の方は床の上のようだ……。
「すごかった……こんなの初めて……」
「良かった……と解釈しても構わないかね?」
 ノラはまだぼんやりしている頭をしばらく働かせると小さくかぶりを振った。
「良かった、じゃなくて良すぎた……よ」
 それを聞くとF星人は小さく頷いた、顔は強化プラスチックの奥なので表情は見えないが、きっと微笑んでいるのだろう……ノラはそう感じた。
「あたし……どれくらい気を失ってました?」
「かれこれ一時間くらいかな」
「え? ごめんなさい、お客さんの時間を無駄にしてしまって」
「構わないよ、少し時間を超過してしまったね、階下で追加料金を支払うとしよう」
「そんな……」
「気にしないでくれ、自分で言うのは少し無粋だが、我々F星人はかなりの報酬を受け取っているからね」
「追加料金まで頂くならもう一回くらい……」
「いや、我々は1週間に一、二度射精するのがせいぜいなんだ、生殖能力はだいぶ退化していてね……」
「そうなんですか?」
「気持ちの上では私ももう一度したいんだがね、ペニスの方は言うことを聞いてくれないんだよ……また来週あたり来て君を指名しても良いかな?」
「ええ、もちろん」
「楽しみにしているよ……では、また」
 そう言ってF星人はドアをすり抜けて行った。
 その後ろ姿を見送ったノラには、最初の『気持ち悪い』と感じたことを申しわけなく思った、あそこまで感じさせられたのは、15年も娼婦をやっていて初めての経験だった。
 ノラは見送るために起こしていた上半身をベッドに預けて、思わずつぶやいた。
(宇宙って広いんだなぁ……)
 


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