手受け式 -乙葉と浩介-(2020/02/10)-3
「浩介、練習しよう。」
乙葉が頬を赤くさせながら言った。
「え?
練習するの?」浩介が驚く。
「その方がいいと思う。
いきなり本番なんて無理よ。
明日、私の家に来て。」
「え? 明日?」急に言われた浩介は戸惑いを隠せない。
「そう、明日の放課後。
明日は学校は午前中で終わりだから、時間あるでしょ。
その時間なら、私の家は誰もいないから。
・・・実はね、さっきね、お母さんに手受け式のことを話したの。
そうしたら、『がんばれ』って。
『練習しておくのよ』って。」
「・・・・そうなの?」
「うん。
それでね・・・、
これ、内緒なんだけど・・・、
私のお母さんも、手受け式に選ばれたことがあるんだって。」
「え!?」浩介は驚きの声をあげた。
「うん。
私もね、聞いてびっくりしちゃった。」