手受け式 -乙葉と浩介-(2020/02/10)-13
「これから、私は独り言を言います。」
巫女が大きな声で話し出した。
「この後、私はとても長い間隔のまばたきをします。
一度目をつぶると、次に目を開けるまで4、5分間かかります。」
乙葉と浩介は巫女の言葉を聞いて、目を見合わせた。
「私が目をつぶっている間は、何も見えませんし、
音も聞こえなくなってしまいます。
二人が何を話しても分かりません。」
巫女はそう言うと、乙葉に目配せをした。
乙葉はハッとなって、昨夜母親から言われたことを思い出した。
そっか・・・。
この時のことをお母さんは言ってたんだ。
「では、私はまばたきをします。」
巫女はそう言うと、ゆっくりと目を閉じた。