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ある資産家の夢
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ある資産家の夢(2020/01/25)-5


「北条さん、もう一つ質問があります。」
莉乃は軽く手を上げて質問する仕草を見せた。
「はい。
 なんでしょう。」北条が微笑む。
「先程、北条さんは『女性は恍惚の表情を浮かべる』とおっしゃっていました。
 ここは重要なんですか?」

この質問を聞いた北条は『我が意を得たり』といった感じで笑顔になり、
莉乃に向かって答えた。

「浅葉さん、よくぞ聞いてくれました。
 実は、この点は、私にとってはとても大事なポイントなんです。
 というのも、私は顔射を気持ちよさそうに受ける女性の表情に
 性的興奮を覚えます。
 なので、参加してもらう女性パートナーには、
 顔射を気持ち良く受けとめて欲しいんです。
 そうでないと、今回の実験は成功にはなりません。」
「そういうことなんですね。
 ですが・・・、北条さん。
 お言葉ですが・・・、
 女性の多くは顔射を苦手に感じています。」
「はい、それは知っています。
 でも、数は少ないかもしれませんが、顔射で性的興奮を感じる女性も
 いると思うんです。
 違いますか?」
「・・・そう・・・・・・ですね。」

莉乃は曖昧な返事をした。
実は、莉乃は顔射が特段苦手ではない。
時には自分から積極的に要求することもある。
自分は顔射で性的興奮を覚える数少ない女性の一人だと
以前から認識していた。

北条は真面目な顔で説明を続ける。
「ですから、女性パートナーは、顔射されて性的興奮を感じることができる方、
 少なくとも私にそう思わせることができる方、というのが条件になります。」
「なるほど、そうなんですね。
 では、演技でもいいということですか?」
「はい。
 演技でもなんでも、私が興奮できればいいんです。
 逆に、女性が本当に性的な興奮を感じていたとしても、
 その表情が私の好みに合わなければ採用にはなりません。」
「なるほど・・・、
 徹底されていますね。」莉乃が感心する。
「はい、徹底しています。
 それと、容姿は100%私の好みで決めさせていただきます。
 私がオナニーして射精するので、私自身が性的興奮を感じないと、
 この実験は成立しません。」
「確かに、それはそうですね・・・。
 それにしても、
 なかなか条件が厳しそうですね。」
「はい、それは認識しています。
 なので、今回の実験に参加していただける女性には
 十分な謝礼をさせていただきます。」

 *   *   * 


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