ある資産家の夢(2020/01/25)-3
インタビューは現在ライブ配信されている。
莉乃はこのままインタビューを続行してよいのか心配になり、
同行している現場ディレクターに視線を送った。
ディレクターのカンペ指示は『続けろ』。
そんな・・・、このまま続けるの?
莉乃は内心かなり動揺していたが、インタビューを継続した。
「北条さん。
ガンシャって・・・、
あの顔射のことなんですね。
・・・すみません。
正直、とても驚きました。」
莉乃は敢えて困惑した表情を見せながら言った。
「そうでしょうね。
びっくりさせてしまって、すみません。」
「いえ・・・。
それで・・・、つまり、
今回の実験は、宇宙ステーション内で顔射をする、
ということでしょうか?」
「はい。
正にその通りです。」北条が頷く。
「それは・・・、
・・・セックスをして、ですか?
それとも・・・。」
莉乃が心なしか頬を赤くさせる。
「ああ、その点については・・・、
私がオナニーをして射精します。」
北条は質問内容を察して先に返答した。
「・・・そうなんですね。
お気遣いいただき、ありがとうございます。」
「いえいえ、どういたしまして。」
「それで、あの・・・、
どうして、
宇宙空間で顔射なんでしょうか?」
莉乃は性的な言葉を何度も発言している自分に恥ずかしさを感じつつも、
北条の考える実験に少しずつ興味が出てきていた。
* * *