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[幸せな隣人]
【鬼畜 官能小説】

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[モーレツな片想い]-3




『おはようございます。隣の芦澤です』


カメラに映った顔が威圧的にならぬよう、芦澤は一歩下がってインターホンを押した。
するとパタパタと走る音が聞こえだし、そしてドアが開いた。


「お隣さんの……どうしました?」


バニラビーンズのような甘いアロマの香りが漂ってきた。
それにしても、こんな簡単に玄関のドアを開けるとは無警戒な女である。
その辺の隙だらけなところも麻美にそっくりだ。


『いやあ、田舎から送られてきた野菜なんだけど、一人じゃ食べきれないしお裾分けしようかと……』


ジャガイモを入れた袋を差し出しながら、芦澤は営業時代に培った《気付き》を働かせた。
この気付きとは玄関の中に置いてある物などから、その家の家族構成や家庭環境を推測する観察眼の事を言う。


(ゴルフバッグが一つ……ヒールの高い靴が並んでるなあ……あと結婚式の写真も飾ってる……)


ゴルフバッグが一つしかないところからすると、これは夫婦揃っての趣味ではなく、旦那の接待用だろう。
更にヒールの高い靴が並んでるという事は、まだ妊娠などしていないと推測出来る。
そして結婚式の写真の日付けからして、新婚夫婦なのは間違いない……。


『ん?旦那さんて営業部の……?』


本来なら、訪問した側が一方的に話すのはNGである。
だが、結婚式の写真の中で掲げられているプラカードを見た芦澤は、黙っていることが出来なくなってしまっていた。


「あ…はい。私のパパ、この会社の営業部で部長をしてるんです」

『!!!!』


昨夜、寝取りAVを観ていた時、もしもまだ自分が営業部長だったなら……と、あり得ない妄想をしていた。
半年前の自分なら、もしかしたら……そんな期待は今、バラバラに砕け散った…….。


『す、凄いなあ……まだ若いんでしょう?やり手なんですねえ〜』


恭介とかいう男の勤める会社は、TVCMを打つ程の大企業である。
若さで負け、財力でも負け、社会的地位でも負ける……自分が〈全盛期〉だと思っていた時代、その時から既に負けていたと知った芦澤は、怒りに任せて優乃を押し倒したくなる衝動を抑えるのに精一杯になっていた。


「……こんなにたくさん……ありがとうございます」


袋に伸びた白魚のような指……これで恭介の肉棒を握って美味そうにしゃぶり回しているのだ……メラメラと燃え上がる激情を押し殺し、芦澤は足早に自宅へと戻った……。


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