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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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12月:クリスマス-1

「みなとみらいのクリスマスイルミネーションを4人で観に行かないか?」

秋田さんからそんな風に誘われた。
ここ数年、横浜は大々的にクリスマスイルミネーションをイベント化していて
みなとみらいだけでも数か所見られる。

年々開催が早くなるような気がするイルミネーションは
11月の半ばからきらめいていて、会社帰りに海沿いの赤れんがの方で光が見える。

「会社帰りに行ってみようよ」

葵にそう誘われて、年末年始にも日本に帰らない小川くんに寂しくなる気持ちを奮い立たせた。

本当はもう秋田さんに会っちゃいけないんだと思う。
けど、心のどこかで嫌いじゃない、秋田さんと一緒に居たい気持ちも嘘じゃない。

「私、ずるいな」

2人じゃないなら。

そんな言葉で自分をだまして
寒い12月の仕事帰りにイルミネーションを見に行った。

「綺麗だね〜」

極力イルミネーション以外の灯りを抑えて、街並みを暗くしてあるので
みんなの話す息が白くて幻想的になる。

寒さを忘れるほど綺麗なイルミネーションの灯りをぼんやり眺めながらゆっくりと歩いていると

「ほのかちゃん、鼻の頭赤いよ」

秋田さんは笑いながらチョンと私の鼻を触る。

「見えないですよね!」

この暗さじゃ見えないはずなのに。

「見える。可愛いよ」

と楽しそうに小さく笑った。



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