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THE 変人
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切ない幸せ-5

朝、少し早く家を出て幸代のアパートに送って行った海斗。出社して、後から来た幸代と顔を合わせると緊張したが、何の屈託もない笑顔を見せてくれたので安心した。午後からまた同行したが、今までと同じ雰囲気で会話が出来、いやむしろ瀬奈の事も普通に、そして下の話も何気に出来るようになり、ぐっと親密感が増したような感じになった。

「幸代ってベッドの上では物凄く可愛らしくなるのなー!」
「!?き、緊張してただけですっ!」
「緊張する幸代も可愛かったぜ?」
「ムカつくー。海斗さんだってオチンチン舐めたら眉間に皺寄せてああっ、とか声出してたくせにぃ♪幸代、気持ちいいよ…とか真面目な声出しちゃって♪」
「!?が、頑張ってくれてたから褒めただけだし!雰囲気大事にしようとした俺の優しさが分かんねーかなぁ!?」
「雰囲気大事にする人が初めてエッチする人の口の中に出しますかー!?」
「だっていいって言ったじゃん!」
「してる真っ最中にダメとか言えないじゃないですかー!私の方こそ流れを断ち切らないように気を使ったんですからね??」
「その割には最後までしっかり飲んでくれたじゃんかよー。舌でペロペロして綺麗にしてくれたし♪マジ上手かったし!」
「あー、何か私の事風俗嬢と同じ目で見てませんか!?言っておきますけどねー、私、精子飲んだの初めてだったんですからね…」
「え…マジ…?」
「そうですよー。結婚キツかったんですから…」
「そ、それは悪い事したな…」
「あ…、い、いいんです。気にしないで下さい。」
「…で、美味しかったか?不味かったか??」
「うーん、美味しくはなかったけど…嫌ではなかったかな…。って何を言わせるんですか!?」
「アハハ、悪い悪い!」
車の中でそんか会話で盛り上がれる事自体が2人の距離が縮まった証拠であった。

そんな痴話が落ち着いた頃、幸代が不意に言った。
「瀬奈さん、元気かなぁ…。」
海斗もおちゃらけモードを終わりにした。
「今度は両親がついてるから大丈夫だろ。あのご両親なら瀬奈を大切にしてくれるだろうよ。それに俺に何の連絡もないって事は幸せに暮らしてるって事だよ。きっと俺に連絡が来る時は何かあった時だけだろ。だからむしろ来ない方が安心だってゆー、皮肉な感じかな?」
ある意味自虐ネタをして頭をかく海斗。

「て事で、だからまたヤるか♪」
「て事でって何よー。ヤダよ、そんなセフレみたいな関係♪かと言って付き合うつもりもないから、ヤラせませーん!」
「えー?何だよー。またベッドの上で可愛らしい幸代の姿、見たいなー。」
幸代は少し顔を赤くしながら言った。
「ダメー!ヤラせませーん♪(まだ、ね…)」
海斗の中で瀬奈に区切りをつけられるまではヤラせませんよ…、そう言う意味が含まれてた。海斗も本気でヤラせろと言っている訳ではない事は知っていた。幸代はただ、海斗が元気でいてくれれば良かったのであった。海斗が元気なら、自分も元気になれる…、そんな気がしているのであった。


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