深まる敏明の家族たちとの関係-1
しかし、敏明の治療は、敏明の父親が考えていたほど順調には進まなかった。
その一番の原因は、思春期を迎えた真奈美の生活の変化、体調や精神状態だった。
身体面での変化として、小5の終わりごろ、真奈美も初潮を迎えた。
体調を崩すことが多くなり、敏明の治療が3週おきになることもあった。
当然、治療の効果は減り、一定の後退を余儀なくされた。
また、真奈美がインフルエンザに罹ったこともあった。
家の中にいて外には出られないとはいえ、
敏明も体調を崩すことはあった。
敏明も真奈美も、第2次性徴を迎え、
身体が大きく変化し始めた。
真奈美の刺激がないときでも、
敏明の勃起が急激に激しい反応を示すようになったこともある。
二人の身体と心のタイミングがずれると、
治療の効果はほとんど上がらなかったのだ。
敏明の完治を目前に、今一度、その5年間を振り返ってみよう。
敏明が学校に来なくなってからも、
真奈美の心の中には、いつも敏明がいた。
月に2回ではあるが、敏明と秘密の時間を持つことが出来る。
それも、回数を重ねるにしたがって、
真奈美自身、不思議な感覚に包まれ始めていた。
初めのころは、それは何とももどかしい、
自分でもどうしていいのか、どうしたいのか、どうすればいいのかがわからない、
不思議な感覚だった。
けれど、それは次第に、快感へと変化していった。
(あの感じが、また味わえる。)
そんな思いが生まれると、真奈美はただとし君の治療のためだけに
斎藤家に通うのではなくなってきたのだ。
とし君に会いたいという気持ちには変わりなかった。
早く治って、いつか一緒に外を歩きたいと思っていた。
しかしそれとは別に、真奈美自身が気持ちよくなりたい
と思うようになったのである。
敏明の姉、紗理奈は時々、
真奈美の治療の様子を見てアドバイスしてくれることがある。
敏明の母親麗子も、毎回必ず治療には付き合い、
その前後には、女性主導で治療を行うための
様々な形や動きをレクチャーしてくれていた。
そんな時の患者役が、下の姉の美奈子だった。
美奈子の下半身にペニスバンドを着けさせ、
麗子自らが真奈美の役を買って出て、
様々な体位や動き方を教えてくれるのだ。
真奈美もペニスバンドを付けた美奈子の体に跨り、
麗子の動きをまねることもあった。
そして、おおよその動きがわかったところで、実際に敏明と交わるのだ。
そんな治療が進むにつれて、
真奈美は心の中では
(とし君の治療なんだ。とし君のためなんだ。)と思っていても、
気が付くと、真奈美自身の快感を追い求めている時があった。
美奈子の疑似ペニスに跨りながら、
下のお豆により強い刺激が得られるよう、
自分で腰の動かし方を工夫したり、
ツンと尖った乳首をつねったり、
思い切り身体をそらせて美奈子の疑似ペニスを壊してしまったこともあった。
「真奈美ちゃん。あまり夢中になり過ぎないで。
美奈子も本気になっちゃうから。」
高校生になった美奈子は、以前のように寡黙でいることも少なくなり、
その身体はすっかり成熟した女の身体になっていた。
「真奈美ちゃん。女同士で、こんな風にするのも、素敵なのよ。」
美奈子はそう言って真奈美の口に自分の舌を捻じ込んでくることもあった。
「美奈子。真奈美ちゃんは必死なのよ。
余計なことを言って惑わせるんじゃありません。」
母親の麗子が必ず、美奈子の行動を止めた。
麗子のレクチャーは、実に様々な分野にわたっていた。
麗子は真奈美が来る月2回、年間24回。
それが例えば3年間になったとして、72回。
自分が伝えられることすべてを真奈美に伝えようと考えていた。
それをすることはもちろん敏明の治療にもつながったが、
真奈美自身の可能性も試してみたくなったのだ。
1日の時間はたっぷりある。
敏明の治療に直接かかる時間はおそらく2時間程度。
それ以外の時間は真奈美の休養とテクニックの向上にあてればいいのだ。
真奈美のテクニック向上=敏明の治療法の向上と考えたのだ。
ペニスの舐め方ひとつとっても、実にいろいろな方法を知っていた。
『顔面ストローク』から始まり、『ローリング』『もろこし』。
そして『クランプ』『バイブレーション』『甘噛み』『バキューム』。
そのほとんどがつけられた名前から動きを連想することが出来た。
『ゆりかご』『密閉フェラ』『ディープストート』『玉転がし』。
名前が可愛らしいからと言って、その刺激もかわいらしいかと言うと、
必ずしもそうではなかった。
『小鳥キッス』『スネーク』『トルネード』『裏筋舐め』『鈴口集中』『大根おろし』
『あごスマタ』『温冷フェラ』『歯磨き』・・・。
ペニスに対する動き方は、敏明の父親が参加できるときに集中して行われた。
美奈子の疑似ペニスでは、なかなかつかめない感覚的なものがあるのだ。
真奈美のマスターは早く、1日で5つもの動きをマスターすることもあった。
しかも、真奈美にとっては、これらの動きは、復習もしやすかったのだ。
真奈美にとって、家ので入浴タイムは、とても貴重な時間となっていた。
麗子は「おうちに人にはみつからないようにね。」と言って、
練習用にと、1本のディルドを渡してくれた。
(いままでのシェービングクリームの缶なんかより、
よっぽどいい練習ができるわ)
真奈美は喜んだ。
ただ、麗子は大きな間違いを犯したのだ。
「フェラの練習用」に渡したディルドの、
本来の使い方に真奈美が気づいたのだ。