和州記 -蜂蜜ノ味--4
「「………………」」
「すみませんで済むと…思っとるのかッ?!」
強面の依頼主は二人を一喝する。
二人は何も言えず、ただその強面に身を縮めていた。
「こうなったからには責任を取ってもらうぞ。…金はないんだな?」
「「…はい」」
「ならば身体で払ってもらおう」
「「……」」
一紺はその言葉に顔を顰めながら、おずおずと手を挙げた。
「お、俺そっちの気なんかないです〜…」
「馬鹿者ッ!そう言う意味じゃあないッ!!」
依頼主は一紺に怒鳴り付ける。
「一、二週間ばかり、うちでただ働きしてもらうッ!!」
「「げぇ…」」
かくて、二人はこの依頼主の下で肉体労働するはめになってしまったのだった。