不倫がバレて (2)-1
人妻として考えうる限り最悪のシーンを夫に見られ、うろたえ硬直しているゆき。
この状況でなお清楚さと可憐さを保つ美貌が、今はかえって恨めしい。夫ではない男とのセックスで分泌されたフェロモンを纏い、隠しようもない色香を放ってしまっている。潤んだ瞳、上気して淡い桜色に染まる頬。乱れた髪は汗に濡れ顔やうなじに張り付き、丸みを帯びた乳房先端の蕾はつんと上を向いている。
「パパ……えっと……ぁ……」
三十八歳にしてようやく人妻らしいだらしなさを微かに帯びてきた下半身。この中に今、他の男のペニスが深々と突き刺さっている。
妻の膣は夫とはまったく比較にならぬ圧迫感で満たされ、子宮口には亀頭がぴたりと押し当てられている。覚悟していたこととはいえ、射精すればすぐ妊娠できる状態で、愛する妻の女性器と他の男の男性器が密着しているのを見せつけられ、胸が抉られる思いがした。
「あの、Oさん……俺が悪いんです、本当にすみません」
「パパ……ご、ごめんなさい……あの、違うのこれは……」
Zの演技は多少臭いが、余裕のないゆきは気が付かないだろう。それよりZに同調して謝ってくるゆきの態度に腹が立つ。間男と一緒になって「違うのこれは」なんて謝られても惨めな気持ちになるだけだ。
ただでさえさっきから、目のやり場に困っている。はだけたスカートの裾からむっちり匂い立つような尻と太ももが覗き、どちらのものとも知れぬ縮れ毛が汗ばんだ肌に付着している。仲良く両手を繋ぎ、すらりと白い指と浅黒く無骨な指が絡みあうその合間で、結婚指輪が鈍い光を放つ。
「Zはまた後でじっくり話を聞くよ。それよりゆき……何、してるの? なにが『違う』の?」
Zの上から降りようとするのを制して、もう一度尋ねる。
「勝手に動かないで。今、何してるのか、ちゃんと答えて?」
「……………………」
何も言えないゆきに近づいて、スカートを捲る。
人妻の蒸れた陰部の酸っぱい匂いがふわりと広がった。股間の三角地帯は男女の陰毛が絡まり合い、汗と愛液にまみれべとついている。
「腰浮かせて。股の間に何が入ってるかちゃんと見せて」
「ご、ごめんなさい……Zくんとエッチ、してました……」
浮気セックスの結合部を夫に見せるという辱めを回避したいのか慌てて不貞行為を認めるが、もう遅い。
「言うとおりにして。抜けないようにゆっくり」
仕方なしに、大きな尻を持ち上げていくゆき。
亀頭の張り出した部分が、ゆきの肉襞一枚一枚を丁寧に擦り上げ押しつぶす。妻の表情が歪み小さく息を吐く。ニチャ、ネチャ、ネチョ、ニチョ。愛する女の子の股間から他の男のペニスが生えている地獄。ゆきが膝立ちになってもZの先端は完全に膣の中に隠れたまま。いったいどれほど奥深くをかき回されていたのか、考えるだけで苦しくなる。
「まんこを両手で拡げて」
屈辱的な指示にも従うしかない。充血してぷっくり腫れた大陰唇の内側に、くすんだ花びらがぱっくり割れて咲いている。中心に突き刺さるグロテスクな雄しべは、花弁の奥に秘された雌しべに向かい、今にも精子を撒き散らそうとピクついている。
決してそこに入ってはいけないはずの、夫以外の男の陰茎を挿入したまま、腰を下ろさせる。膣内壁をふたたびひっ掻いて侵入してくるペニスの刺激に、息を止め目をぎゅっと閉じて耐えるゆき。切なくも美しい妻の表情に、嗜虐心が刺激される。
「Zとのセックスは、気持ちよかった?」
下を向いてうなずく妻。唇を噛み眉根にシワを寄せている。
「そう。じゃあ腰を上げたり下ろしたりを何度か繰り返して」
「ねぇパパ、なんでこんなことするの……?」
「それはこっちのセリフだよ、ゆき」
「……そうだよね……ごめんなさい……」
ぐうの音も出ない正論を返され、ゆきの目から涙がぽろりとこぼれた。
「本当にごめんなさい……」
妻の額に張り付いていた髪がはらりと落ちて揺れる。