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最後の、最高の学園祭
【学園物 官能小説】

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副担任を引き込め 3−Cの絆-2

「なにって決まってるだろ。そっくりさんでドッキリだ!」
流星の身体がいくつもの机の下に消えた。

「何をやりたいって、そりゃあ。。」
 誰も即答できずに互いを見合っている。

「だからなんか一発、スッゴイ花火を打ち上げて。。」
 ようやく答えらしきものを思い出した健が言った。
「で、え〜と、3−Cの悪いイメージを払拭して。」
それに続けて志尊が自信なさそうに付け加える。
「それで、卒業までに名誉返上しようっていう作戦さ。」
口にした流星が取り囲まれ、ボコられた。
「汚名だ!」
「おめえ?おれか?」

「具体的に、何をってことか。」
将暉がぽつりとつぶやいた。

「さすが菅田君ね。」
たか代は将暉の前に立ち、将暉の顔を覗き込んだ。

「だ、だからよ〜。具体的にって、花火を打ち上げんじゃん。」
突然立ち上がった流星の頭をジュンコがカラオケのリモコンで叩く。

「お、お、お前、それをどこから。」
しゃがみ込んだ流星が流血を抑えながら呻いた。

「確かに、俺たちには何をやるかという具体的なものはなかった。」
将暉は愕然とした表情で答えた。

「でも健君と菅田君のやる気だけは確かだと思った。」
無口な中野愛衣が、顔には似合わない低めの若干震える声でぽつりと言った。

「うん。わたしも。今を変えていこうとする開拓者精神なって思った。」
老人の絵を描いていた広瀬が言った。

「わたしはクラスの空気、読んで。そうかなって。」
もしゃもしゃ頭を直毛にしようと頑張りながら白木が言った。

「男どもが必死になってんだから、付き合ってやるのがダチってもんだろ。
 松センセ。」

「そう。だから、わたしもここに来たの。」
ゆっくりと教壇に戻ったたか代が言った。
「わたしを呼びに、いつも引っ込み思案気味の至尊君と
 おとぼけ系の中町君の倫也を選んだ。
 その人選と、その裏にある考え。
 その真剣さだけは、わたしにも伝わったわ。」

たか代がクラスのみんなを見ながら言った。
「でもそっくりさん作戦なんて、本当に成功すると思ってるの?」
「・・・」
「それに、大泉田先生を騙してOKをもらったとしても、
 あなたたちが何か問題を起こした時、
 大泉田先生は、絶対に責任なんか取らない。処分されるのはあなたたちだけよ。」

「そんなことはわかってるさ。でも俺たちはなんとかして。」

「簡単なことじゃない。今のあなたたちの担任は副担任であるこのわたしよ。
 わたしがOKを出せば済むことでしょ。」

「えっ?OK出してくれんのかよ。なら最初から言ってくれよ〜。」
流星の口に黒板消しを突っ込んだ将暉が立ち上がり教壇のたか代に迫った。

「だから、何をやりたいかが大事だ、ってことか?」
「そう。何をやるかもわからないクラス参加にOKなんて出せないでしょ。」

将暉はメガネを掛け直し、
「マジだな?」
と聞いた。
たか代もメガネを掛け直し、
「マジならね。」
と答えた。

「じゃあ、もう一度聞くわ。
 あなたたちは、何がやりたいの?」

「・・・」

たか代がゆっくりと眼鏡を外した。

「・・・あのさぁ、わかんないんだったら、まず考えよっか?」
明らかにキャラが変わっていた。
「何がやりたいかが決まんなきゃ、次に進めねえんだよ。」

クラス中が固まった。

「横須賀〜!。立て!」
「聞こえねえのか?立てって言ってんだ。」
流星は股間を濡らしながら立ち上がった。
「お前のやりたいことは何だ?」
「。。。」

「答えられねえか。じゃあ、健。お前はどうだ?」

「俺、は、パンを焼く、のが、得意だ。」
「へ〜、意外だなあ。菅田将暉、お前は?」
「俺、は、、、歌っす。」
「歌?なんとなくわかる。」
「作るのも得意っす。」
「意外な才能、有るんだなあ。志尊、お前は?」
「ぼく、、お、オレは、格闘技です。」
「見るほうか?」
「いえ、やる方です。」
≪エーーッ?≫≪嘘だろ〜≫≪マジかよ〜≫≪知らんかった。。≫

「中町。お前はどうだ?」
「俺は、、動物が大好きで、、、あと、似顔絵、かな。」
≪ホーーッ?≫≪意外だね〜≫≪今度描いてもらおっと。≫

「あのさ〜。なんかぁ〜普通過ぎるって言うか。
 お前ら、もっと本音でモノ言えよ。
 なに、さっきから常識的なこと、言ってんだよ。
 お前ららしさが伝わって来ねえんだよ。

 普通、じゃなくていいんだよ。
 普通じゃ、面白くないんだろ。
 あるだろ?もっと。
 お前ららしい、馬鹿げた得意技が。」

たか代は一気にまくしたて、凄んだ。
(ヤ、ヤク〇だ。)(本物のスケバンだ。。。)

「流星。もう一度、聞くぞ。 誰もいないと思って、
 ホントのこと、言ってみろ。
 お前の得意なことは?好きなことは?」

「み、み、んなに、笑って、、もらう、こ、と。」
「それだけか?まだ、あるだろ?」

「あとは。。ォ…ナニィィ……です。」
「声が小さい!」
「オナ、ニー、です。」
「それは、、、好きなことか?得意なことか?どっちだ。」
「どどど、どっちも、です。」
「流星。お前らしくていい。何より正直なのが一番だ。
 そういう答えを待ってたんだ。」

たか代は椅子に座り、ゆっくりと眼鏡をかけた。
「では、今の横須賀君みたいに、本音で発言してください。え〜と。
 次は、女子、かな。広瀬さん。」

「わ、わたしは、、絵が得意だから、将来はアニメーターになりたくて。。
 あと、かるたも得意だし、それから。。。」

たか代のメガネの奥の目がきらりと光った。
たか代は素早くメガネを外すと、
「本音で言え、って言ってんだよ!」
と、一言だけ言って、再びメガネを掛けた。


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