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最後の、最高の学園祭
【学園物 官能小説】

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副担任を引き込め 3−Cの絆-1

3ーCメンバーは、男子5名、女子5名、計10名だった。
少数精鋭とは真逆の問題児が集められたクラスで、
学年当初は27名だったものが、
個人の事情による退学転学、処分による退学などで、
今現在残っているのはこのメンバーだけということだ。

クラスの総意により、最後の学園祭への参加が決まった。
勿論、「全ての責任を負う」担任の許可が出れば、の話だが、
担任の大泉田には、睨まれた連中ばかり。
あわよくば、自分に関わりのないところで問題を起こし、
処分され、クラス解散、なんてことを内心考えていないでもない節があった。

幸か不幸か、その大泉田は、
妻が出産直後のため、育児休暇に入っている。
イクメンとでも言いたいところだが、顔はヒョウタン型。
髪は天パのモジャモジャ頭。
頭のてっぺんから出てくる間の抜けた声とそのやる気の無さは、
3ーCメンバーからの信頼は全く無かった。

その大泉田の代替えとして、つい10日ほど前から、
3ーCの副担任に就いたのが、松たか代。
ショートカットでメガネ。
年齢不詳だが、自称新卒初任という触れ込みだった。

問題児ばかりを前に、自己紹介の名前を言ったのが最初で最後。
その後は恐ろしさからか、生徒たちの前では、一言も発していない。
生徒たちからすれば世間知らずの「子ウサギちゃん」だった。
実際、確かにその口先は、げっ歯目顔だった。

菅田の、嘘か本当かわからない情報を元に、効果の期待できそうもない、
奥さんの偽物で大泉田を騙すという作戦を立てた3ーCのメンバーは、
副担任との交渉役に、辛うじて真面目そうに見える男子2名を選んだ。
引っ込み思案気味の至尊旬、そしておとぼけ系の中町倫也だった。

残り8名の期待を背負い、
2人は放課後の職員室に向かった。

「松せーーーんせ。」
2人の呼び掛けに、松先生の体が固まった。
生徒に手招きをされ、職員室を出ていく松先生を見送る他の先生たち。

一人が呟いた。
「可哀想に。無事、戻って来れればいいけど。」
「でも、あの2人が職員室に来るなんて珍しいですね。」
「ええ、いつもは流星辺りが、いきなり入ってきて、」
「そうそう、大声でわけのわからんことを。」
「ま、いずれにせよ、ですよ。」

2人は、松先生を3ーCの教室へと導いた。
よく見ると、松先生はそこそこの美人に見えた。
年齢不詳ではあるが見た目は20代。
「新卒初任」の看板に偽りは無さそうだった。

中町と至尊の二人は、そんな松先生の回りを、
跳び跳ねながらくるくると回りながら教室へと向かう。
内心、カワイく若い(だろう)女に先生と一緒に歩くことが、
恥ずかしくて嬉しくて仕方がなかったのだ。
しかしそれも端からは、捕らえた獲物に脱げられないよう、
周りを回っている野獣のようだった。

教室の入り口まで来ると、松先生の足が止まった。
「あれ〜。松センセ〜。中に入ってよー。」
至尊が覗きこんだ松先生の、メガネの奥に、
キラリと光るものがあった。

中町がドアを開け、松先生を教室の中へと導く。
松先生の頭に黒板消しが落ちてきた。
ありえないだろ!という緊張が走る教室の中で、
流星がガッツポーズをしている。
ジュンコの蹴りがさく裂した。

(この子は、菅田将暉。あれが加藤健、この二人が、志尊旬と中町倫也。
 あっちの、少し間の抜けてるのが横須賀流星ね。
 女子は。。。クラスの女番長、美原ジュンコ、学級委員をさせられてる中野愛衣。
 アニメーター希望の広瀬鈴。こちがお暇ばっかりしてるもじゃ頭の白木華、か。
 みんな、そろってるじゃない。)
 
「何、じろじろ見てんだよ。」
流星の後頭部に健がけりを入れた。

「こっちが頼み事、しようとしてんだ。失礼なこと、言うな。」
将暉が椅子を差し出す。たか代は静かに座った。
(なんだ、結構、常識知ってるじゃん。)

「この2人から話は聞いたと思うんだけど。」
将暉ができるだけ丁寧な言葉で話し始めた。
たか代はきょとんとして、志尊と中町を見た。
二人は慌てて、手を左右に振っている。

「なんだよ。話してねえのかよ!」
健が2人をけろうとするのを、ジュンコがすかさず止めた。
「副担任をここまで連れてきたんだ。この2人にしちゃあ、上出来だろ。」

「じゃあ、俺から話そうか。」
将暉はたか代の前に座り、話し始めた。

最後の学園祭にクラスで出ようと考えていること。
担任の大泉田は、おそらくOKを出さないだろうということ。
大泉の弱点である妻のそっくりさんで、大泉田を説得しようと考えていること。
そして、その大泉田の妻の役を、副担任のたか代にやってもらおうとしていること。

将暉なりに、丁寧に、整理して、話をしたつもりだった。
他のメンバーは、いちいち頷きながら、真剣に聞いていた。
流星一人が≪そうだったのか≫≪知らなかった≫と、独り言を言っていた。

一通り話し終えた将暉は、メガネを掛け直し、言った。
「話は以上だ。俺たち、マジなんだ。引き受けてくれ。」

たか代は黙って目を閉じている。
イエスなのか、ノーなのか。
クラス全員が固唾を飲んでその答えを待っていた。

しびれを切らした流星が、
「イエスなのか、ノーなのか、どっちなのか聞いてんだよ〜」
と言った瞬間、あらゆる方向から上履きが飛んできた。

たか代がゆっくりと立ち上がった。
そして、ゆっくりと教壇へと向かう。
たか代は、小さな声で言った。
「一つだけ、質問があります。」

「なんだ?なんでも答えるぜ。引き受けてくれるんなら。」
健が立ち上がっていった。

「声が小せえんだよ。」
流星の頭の上から机が落ちてきた。

「皆さんは、学園祭で、
 何をやりたいんですか?」


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