幼少期-1
真奈美が初めて、男のソレを見たのは、小学校2年生の時だった。
夏の夜のことだった。
夜中にトイレに起きると、隣に寝ているはずの父と母の姿が見えなかった。
真奈美の家はさほど豊かではなく、古いアパートに住んでいた。
部屋は3人が寝る寝室と、「書斎」と呼んでいる今では珍しい3畳間の2部屋だった。
寝室に戻ろうとした真奈美は、怪しい音を聞いた。
猫の鳴き声のような、人の悲鳴のような、不思議な音だった。
(なんだろう?)
不思議に思った真奈美は、眠い目をこすりつつ、音のする方へ近づいた。
その音は、書斎から聞こえてきていた。
ふすまが少しだけ開いていて、中の光が廊下を照らしている。
(なんだ、書斎からだ。お父ちゃん、まだ起きてるのかなあ。)
真奈美は、ふすまの隙間からそっと中をのぞいた。
いきなり目に飛び込んできたのは、大きく開かれた母の股だった。
真奈美は驚きながらも、声を上げてはいけないような気がして、息を飲み込んだ。そして恐る恐る、もう一度隙間に目を当てた。
股は、母の股だった。父に後ろから膝を抱きあげられ、裸のままの母が股を開いたまま父の体の前で揺れていた。
真奈美はそれを見て、ある場面を思い出した。
まだ真奈美が小さい頃、父と外を歩いていて、トイレが我慢できなくなったことがあった。
真奈美が小声で、父親に、
「ねえ、おしっこ。我慢できないよ。」と言うと、
父親が、周りを見て、
「よし、ここなら、だれも見てない。それっ。」
と言って、いきなりわたしを抱きかかえると、両ひざの裏に手をやって、
「ほ〜ら、おまたをひらいて〜。ほ〜ら、いいぞ〜。しても。」
「ほら、おしっこだよ。」と言われて、恥ずかしがりながら小便を済ませた。
(母の格好は、あの時のわたしと同じだ。)
真奈美はそう思った。
(でも、だったら、なぜ、トイレでしないのだろう。わたしの時のように、外だったらわかるけれど、部屋の中じゃ、濡れちゃうのに。母は一人でトイレに行けないのだろうか。でも、それよりも、なんで二人とも裸なんだろう。)
頭の中であれこれと考えている真奈美の耳に、母の声が飛び込んできた。
「あ、あ、ねえ、あなた。す、す、すごい、これ、あ、あ、ねえ、は、恥ずかしい、けど、ねえ、す、す、すごいわ。」
昼間、真奈美が聞いている母の声とは違って、少し高い、上ずったような声だった。
(お母さん、どうしたんだろう。具合でも悪いのかな。それで、トイレに行けなくて、お父さんにあんなこと。。。)
「そうだろ?いいだろ?ほら、ほら、もっと、こうしてやる。」
今度は父の声が聞こえた。
いつも真奈美に優しく話しかけてくれる父親のそれとは、明らかに違っていた。
まるで、母を虐めるような、くぐもった声だった。
よく見ると、母親の股の間の毛が生えたところに、1本の棒のようなものがかすかに見える。そして、父親が母親の体を上下させるのに合わせて、その棒が見え隠れする。
(なんだろう、あれ。お母さんの、、、股の間に、、はさまっているのかなあ。)
真奈美はふすまの隙間に目を当てたまま、廊下にしゃがみ込んでいた。
「ああ、ねえ、あなた。いい、いいわ。すてき、すてきよぉ。ね、ね、」
「ほら、これならどうだ。」
「あ、そ、それも、い、い。ね、もっと、あ、さ、触って、そ、そこ、そこ、もっとよ」
母親の膝を抱えていた父親の手が、母親の股の方に伸び、黒い茂みの中をもぞもぞと動き始めると、母親の声が明らかに変わり、呼吸も乱れてきた。
「ね、ね、そう、そのまま、ねえ、もっ、もっと、そう、そこ、そこ。ねえ、強く、ああ、そうよ。」
母親の声が次第に大きくなり始めると、母親は自分の空いた手で口を押さえつけた。
「うぐっ、ぅぅ、ぁぁっ、ねえ、ぁ、い、いく、くっ、うっ、うっ、」
「ほら、ここか?ここか?」
「そう、そうよ、そこっ、そこっ。アッ、アッ、い、い、いく、いく、っちゃう。。」
父親の動きがさらに激しく、早く、大きくなり、
「あ、あ、お、おれも、、、」という言葉を言い終わると、父親の動きが止まった。
母親は父親の腕から片足を下ろし、息を整えている。
その瞬間、母親の股間から、黒く太い棒が、ぬるっと抜け出した。それにつられるように、母親の股の間から何か白い液体のようなものがゆっくりと畳の上に落ちた。
(な、なんだろう。お母さんのおまたに挟まっていたのは。。。)
真奈美は、その正体を探ろうと目を凝らしてみた。
その棒は、全体が、部屋の明かりを反射してヌメヌメと光っており、父親の体とつながっていた。
(えっ?お父さんの?なんだろう。。。)
真奈美は今までにも何度か裸の父親の姿を見たことがあった。風呂から上がってきた父親は、いつも全裸のまま、部屋の中を歩き回り、母親によく怒られていた。
その時、父親の股間に、何かぐにゃっとしたものがぶら下がっていた。
でも、今、真奈美の目の前にあるのは、まるですりこ木のように、太く、長かった。しかも、天井を向いてまっすぐに立っていて、ピクンピクンと跳ねるように動きながら、父親の腹を打っている。
部屋の中の父親と母親は、そのまま畳の上に寝転がり、抱き合い始めた。
「大丈夫か?」「ええ。」
「よかったか?」「ええ、ものすごく。」
その言葉を聞きながら、真奈美は、どうやら、母親は病気などではなさそうだ、と感じながらも、幼心に、何か見てはいけないものを見てしまったような気がして、そっとその場を離れ、寝室に戻った。
天井を向いて、目をつむっても、真奈美の頭の中では、さっきの両親の動きが繰り返されていた。
明日、朝、聞いてみようか。いや、夜中に起きていたことを知られてはいけない。
そう思いながら、真奈美は眠りについた。