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エロティック・ショート・ストーリーズ
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未来が見えない(処女、ちょっとホラー)-3

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 放っておくと、本当にそこら辺のオジサンに適当に抱かれてしまいそうなイキオイの玲佳を、占い師は至近距離にあるラブホに連れて行った。酔っ払ったはずみで好きでも無い上司に連れ込まれて後で悔やむタイプのラブホだ。飲み屋街から徒歩数十秒。抜群のロケーションだ。
「へえ、ラブホって、こんな風になってるんだ」
 玲佳は物珍しそうに部屋中を走り回っている。
「ベッドは大きくてフカフカ」
 漫画のように飛び跳ねる。
「お風呂はガラス張りでーって……み、見えちゃうじゃない、これじゃ」
「見えるようにしてあるんですよ」
「何のために?」
「ここをどこだと思ってるんですか」
 そこでようやく自分がそこに居ることの意味に思い至った玲佳は、唇を震わせて、走り回るのをやめた。
「す、するのよね、エッチ」
「そうです。あなたは服を全部脱ぎ、僕に体中を愛撫され、そして挿入……」
「ちょーっと待って。待って待って待って」
 目を閉じて俯き、胸に手を当てて荒い息をしながら、玲佳は確認するように尋ねた。
「私、初めてのエッチを、さっき会ったばかりの占い師のお兄さんと、イキナリするわけ? このあとすぐに」
「ついさっき、抱いてくれと頼まれたんですけど」
「そ、そ、そ、それは……そう……だけど」
 どうせ死ぬならエッチをしてから死にたい。そう考えた玲佳は、ヤケになり、誰でもいいから抱いてくれと叫んだ。そんな彼女を見かねて、占い師はラブホに連れてきた。成り行きとはいえ、死の宣告をしてしまった者の責任として、相手をしようと思ったのだ。しかしながら。エッチをしたいというのは本当だけれども、そこは成人したばかりの若い女の子。心の準備も何も無く、イキナリ処女を失うともなれば、焦るのは当然だ。しかも相手はほとんど何も知らない、通りすがりにダメ元で立ち寄っただけの占い師。あまりにもテキトーすぎるロスト・バージンと言わねばなるまい。
「今ならまだやめれますよ。その場合、処女のまま死ぬ確率がグンと高くなりますが」
「う……」
「僕はどっちでもいいですよ」
 そう言う占い師のズボンの股間は少し膨らんでいるが、玲佳は気づいていない。
「するのなら、責任を持って最後までお相手をします」
「さ、最後まで……あはは……」
 少々言葉遣いが荒っぽく、快活な玲佳だが、年齢相応の恥じらい及び未経験ゆえの不安は隠せない。
「まあ、とりあえずシャワーしてきて下さい」
「え……」
 玲佳は頬をひきつらせながら、ガラス張りのバスルームの方に振り返った。
「シャワー、無しとか」
「それはご勘弁を。一日活動して汗かいてるでしょ? それでなくても処女はあんまりあの部分を……」
「洗ってるよ?」
「奥まできちんと?」
「あー……」
「でしょ?」
「明かりを消して……」
「暗闇でシャワーはムリでしょ」
「目をつぶってくれるとか……」
「何のためのガラス張りですか」
「うう……」
 明らかに動揺する玲佳の前に立ち、穏やかな声を心がけて占い師は告げた。
「いつも通りにシャワーするだけですよ」
「いや、でも……」
「いつもと違うのは、僕が見ている、というだけのことです」
「そ、そっか、見られながらシャワーするだけの……ことか」
 しばらく床を見つめていた玲佳だが、キッと顔を上げると、ドスドスと足音を立ててバスルームへと向かった。どうせ死ぬんだし、と呟きながら。
 ドアの無い脱衣場、というか脱衣コーナーで、玲佳はオレンジのポロシャツを掴み、頭からズボっと抜いた。意外と可愛らしい淡いピンクのブラをしている。ただし、何の装飾も無い、中学生みたいなデザインだ。ホックを外したところで占い師の視線に気づき、手を止める。
「み、見ないでよ。見るように出来てるけど、見ないで」
 占い師は動かない。視線も逸らさない。玲佳はひとつ息をつき、三回躊躇ってからブラを外した。背を向けて。その背中には無駄な肉が一切無く、中央に窪みが走り、肋骨が浮いて見えている。ウェストはしなやかに引き締まっているが、柔らかそうな若い肉を伴って腰骨に繋がっていた。
「見てる?」
「はい」
「下も見るの?」
「見ます」
 えいや、っと白いショートパンツを下ろし、足首から抜くと、ブラとお揃いの淡いピンクのパンティが姿を現わした。後ろから見る限り、なんの飾りも無い、これまた子供っぽいパンティだった。しかしその中身はけして子供なんかでは無く、ムッチリと豊満な肉がピチピチに張り詰め、縁からはみ出している。
 腰のゴム部分に手が掛かった。スルっと捲り下ろされる。が、お尻の割れ目が見え始めたところで手が止まった。
「ねえ」
「なんでしょう」
「若い女の子がね、始めて男の前でパンツ脱ぐんだよ? 配慮とか無いの?」
「向こうを向いていて欲しい、とか?」
「それ」
 占い師は口元に笑みを浮かべた。目が穏やかだ。自分から抱いてくれと言ったくせに、いざとなると恥ずかしがり始めた玲佳が可愛く思えてしまったのだ。もしかすると、誰かと重なって見えているのかもしれない。
「どうせあとで全部見るし、触るし、たぶん舐めるし、そして挿……」
「言わないで!」
 玲佳の頬は可哀想なほどひきつっている。ひきつりながらも、強い意志をその目に宿し、パンティを捲りきった。産毛の浮いた、しっとり滑らかな肌をしたその尻は、キュッと絞れたウェストとは対照的に十分に肉が乗り、とても柔らかそうなのに全く垂れていない。
「み、見えてるわよね」
「ええ」
「ご感想は?」
 玲佳は半ばヤケになっている。
「凄く綺麗で、とても可愛くて、噛み付きたいほどにエッチですよ」
「ふ、ふーん、そうなんだ」
 まんざらでもないらしい。


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