ヌードモデル(露出、熟女)-4
「悠也くん?」
気配を感じた玲奈が振り返ると、悠也は慌てて手を引っ込めた。
「悠さん、独り占めしてないでどいて下さいよ。見えないじゃないですか」
光永の声は低く穏やかだが、静かな迫力を伴っていた。悠也は肩をすくめ、玲奈から離れて他のメンバーの背後に回った。
「玲奈さん、次はワンピースの前を開いて下ろしてもらえます? ブラが見えるあたりまで」
「あ、うん」
ぎこちない動作で彼女は求めに応じた。胸元でクロスした部分が左右に開かれ、ワンピースから肩が出た。
「もうちょっと。ブラが完全に出る所まで」
ワンピースを掴んでいる手が、躊躇いながらも下ろされていく。そしてそれは、ホックを外されて浮いてしまっているブラの下まで捲られた。
「そう、そのままで」
完全に姿を現わしたブラのカップは、深いけれども面積は小さくて、中身の白い膨らみが裾からはみ出しかけている。縁の所に細かいフリルが並び、全面にモノトーンの薔薇の刺繍入った、上品でありつつも大人の女を感じさせる物だ。ブラが緩んで浮いているにもかかわらず、その中身の白い膨らみは少しも崩れることなく形を保ち、胸元に深く大きな谷間を形成している。それを見つめながらペンを走らせてスケッチをする音、シャッターの音などが静かな会議室に響く。
「肩紐、外せます?」
口の端をピクリとさせながらも、玲奈は左手でワンピースを押さえたまま右手で左の肩紐を下ろした。その時、肩が動いたせいか、右の肩紐まで下りてしまい、浮いているだけのブラのカップがペロリと捲れた。あわてて両手でブラを押さえたが、一瞬だけ乳首のあたりまで見えてしまった。会議室内の話し声が全て止まった。
「……ごめん」
「い、いいえ、大丈夫ですよ」
玲奈に謝られた悠也は動揺を隠せない。
「ていうか、むしろラッキ……」
「やめろ、塚堀」
塚堀をたしなめる光永も、鼻息が荒くなっている。
「あのう……」
ぽっちゃりめの女子が手を上げた。
「もう一度胸を見せていただけませんか。すごく綺麗なのでじっくり観察したいんですけど」
その場の空気が、それがメンバーの総意であることを示していた。
「玲奈さん、いいですか」
「もちろんよ」
そう言ってはみたものの、なかなかブラを外すことが出来ない玲奈。ため息のような声を漏らし、呼吸を整えて、躊躇いながら少しずつ下ろしたその手は微かに震えていた。痛いほどの視線がそこに集中する。
見事に熟し、たわわに実った乳房がそこにあった。二十代の女子のような硬さはなく、程よく柔らかで、彼女の呼吸による胸の動きに僅かに遅れながら重く揺れている。かといって垂れてなどおらず、瑞々しい弾力をもって誇らしげに前に張り出している。透けて見えている静脈が肌の白さを強調して生々しく、胸元に浮かんでいる汗が彼女の体温を感じさせる。年齢なりにしっかりと色の入った乳輪に支えられた乳首は、恥じらうようにキュっと皺を寄せながらもツンと尖っており、先端はほんのりと朱に染まっていた。
「女神の胸の膨らみ……」
江坂の呟きに異を唱える者はいなかった。
「ブラを完全に取って、ワンピースをもっと下ろして下さい。腰骨のあたりまでいけますか」
光永からリクエストが飛んだ。
「ええ、大丈夫よ」
胸を露出したことで、玲奈はある意味の開き直りを感じていた。と同時に、自分の胸に注がれるチリチリするような熱い視線に対して、一種の快感を覚え始めさえもしていた。夫に愛される機会はめっきりと減り、もう女としては終わったのだと思っていたのに、彼らにとってはまだまだ鑑賞に耐える、いや、注目に値する体なのだ。玲奈は自分を見つめる目を十分に意識しながら、ブラウンのワンピースとブラから腕を抜き、腰のあたりまで引き下げた。
華奢な肩から大きな胸の膨らみへ。そしてそこからしっかりと括れたウェストへと続く、絞り込むような曲線が美しい。柔らかな肉付きをしてはいるが、無駄な肉は全く無い。広がり始めた腰の中央に咲く小さなヘソも形の良い物だ。
完全に露わにされた彼女の上半身は、しなやかでふくよかな、女性の魅力に溢れたものだった。しばしペンを止めて見とれる者が続出した。
「いいかな? みんな。次に進むぞ」
悠也に声を掛けられ、メンバーたちは我に返った。