第 5 章-2
私の手にはリモコンが握られており、
バイブレーターのスイッチをオンにした。
その振動で、有希子はタクシーの中で
何度も逝きそうになるのをこらえていた。
私に肩を抱かれホテルの門を潜り、受付で鍵を受け取り
部屋に入ったとき有希子は甘えるように私に言った。
「ご主人様、初めからひどいです。こんなことを………」
口を尖らせて私を上目遣いに見る目がどこか愛らしい。
その目は私を心から許した証だった。
長い間、ネットで話し合い、意気投合したからだろう。
私も有希子もお互いの素性を知っており
安心しているからだ、ただし、それは二人だけの秘密である。
「そう言うが、有希子は私の奴隷になったんだろう、違うかな?」
「あん、はい、そうです。
でもあんなところで、わたくしすごく恥ずかしかったです」
そう言う有希子は私に甘えていた、心から信用しているからだろう。
私の落ち着いた紳士然とした雰囲気がそうさせているからかも知れない。
私はゆっくりとポケットの中に手を入れて
バイブのリモコンに触れ指で操作をした。
指先でダイヤルを回し、振動の強さを少し上げた。
すると今まであまり聞こえてこなかった音が
どこからか、かすかにブルブルと聞こえてくる。
それに呼応するように有希子の様子がおかしい。
体が小刻みに震えているのだ。
「あん、だめです、ご主人様、我慢してたのに逝っちゃいます!」
私は有希子の言葉を無視してしばらく楽しんだ後で、
ようやくそのスイッチを切った。
有希子の顔は少し汗ばんで、興奮しているのが分かる。
「あん……」と言い、有希子は私に抱きついてきた。
私は有希子をしっかりと抱き寄せて唇を重ねた。
「嬉しい」と言う。
有希子の身体から、成熟した女の甘い香りがする。
「ご主人様……」
紅い有希子の唇は柔らかった。
私は服の上からゆっくりと乳房の周りを撫でまわした。
「素敵です、ご主人様」
有希子は雰囲気に酔っていた。
しかし、いつまでも甘い汁を吸わせておくわけにはいかない。
ファーストキスが終わるといよいよ始まるのだ。
これからのセレモニーが……。
「有希子、言っておくが、私はお前をこれから調教する、わかっているな」
「はい、わかっています、よろしくお願いします。」
「今までに、お前が経験してこなかったようなことになるだろう」
「はい」
「お前は、私のホームページを見て、ある程度理解していると思う。
前にも携帯電話で言ったが、
この調教でお前がどうしても無理だったら止めてもいい
しかし、それで終わりだ」
「は、はい……」
「これが私のやり方だと思えばいい。
それでもついて行く気になったら、
そのときにお前は本物の私の奴隷となる、分かるね」
「はい、わかりました、ご主人様、私もその覚悟できましたから」
「そうか、それでこの間も言ってあったが今日は宿泊のつもりでいいんだな」
「はい、よろしくお願いします」
「それから今日の事は、写真を撮ってホームページに載せる
ただし顔にモザイクをかけるから安心しろ。
他の女も同じようにしてきたから、それでいいな有希子」
「はい、恥ずかしいですが、ご主人様にお任せします」
「よし、では裸になってごらん、有希子」
「は、はい」