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『Sweet Drops』
【兄妹相姦 官能小説】

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『Sweet Drops』-1

私の兄は人殺しだ。私の両親を殺した。
両親は一週間近く帰ってこない兄を探す途中、交通事故で死んでしまった。
今も覚えてる。どうやって知らされたのか、きちんと制服を着て通夜に現れた兄の姿を。
あの時、兄は中3だった。
そして、そんな兄の姿を見て、私は『人殺し』と叫んだ。兄が家出なんかしなければ、兄さえいなければ……。そんな思いが私に叫ばさせた。
あの時からだろう、私が兄を『お兄ちゃん』と呼ばずに、『和也』と呼ぶようになったのは……。
「美咲。何、ぼーっとしてるんだ?ほら、傘」
気付くと、目の前で兄が傘を差し出していた。
学校帰りに雨が降ってきたので、駅まで兄に迎えにきてもらっていた。
「遅い」
傘を受け取り、私はそう言ってきびすを返した。
「お姫様はご機嫌斜めだな」
兄は私がどんなワガママを言っても決して怒らない。今もきっとうっすら笑いながら、私の後を歩いている。
兄は私の両親を殺した。
この『両親』を『良心』に変えても何の問題もない。
兄は私の良心を殺してしまった。
『和也』が好き。
両親を殺した兄を私は憎んでいて、殺したいほど憎んでいて、そして……愛していた。
兄しか私にはいなかった。
実の兄であるとか、両親を殺したとか、もう私には関係なくなっていた。
ただ、『和也』を愛していた。
雨音が私と兄の足音を消してしまう。
私は自分が考え事をしていたせいもあり、兄が本当に後ろにいるのか不安になった。
くるっと振り向き、兄がいるのを確認すると、自分の傘をたたんで右腕にしがみつくようにして、兄の傘の中に入った。
「ん?いきなりどうした?……濡れるぞ」
驚きながらも、優しい兄に対して私は甘えるように言った。
「大丈夫。……帰ったら、ココア作ってね」
「あぁ」
見上げる私の頭をぽんぽんとたたき、優しく笑う。
いつも雨ならいいのに。
腕から伝わる兄の温かさを感じながら、私はそう思った。

「ただいまー」
「ただいまって誰もいないけどな。ちょっと待ってろ。足を拭くモノ持ってくるから」
そう言って、部屋の奥に消えていった兄を、靴の上で器用に靴下を脱ぎながら待つ。
「美咲、これで……」
タオルを持って、戻ってきた兄に無言で足を差し出す。
制服の裾が揺れる。
兄は黙って膝をつき、私の足を取って、ふくらはぎから爪先まで、丹念に拭く。
日に焼けない白い肌と、ほど良い肉付きで、キレイな足だと人にはよく言われる。
タオル地の柔らかな感触と、私の足を支える兄の手がくすぐったくも、心地良かった。
「和也」
「ん?……今度、そっち」
右足を手から下ろし、左足に手をかける。私は委ねる。
「和也」
「ん?」
この時、兄が少しでも顔を上げれば、スカートからのびた足の奥に白い下着が見えただろう。
私はそれを知っていた。それが十分に扇情的な光景だというコトも知っていた。
だけど、兄は決して顔を上げるコトはなかった。
「……何でもない」
「変なヤツだな。ん、これでOK」
兄は私の左足から手を離し、立ち上がる。
「ねぇ、和也。ココア入れるの忘れないでね」
「はいはい。お姫様の仰せ通りに」
そのまま台所に向かう兄の左肩――私がいたのとは逆側は雨に濡れていた。
私は居間のソファに座り、制服がシワになるのも気にせずに、横にぽてんと倒れ込んだ。
そして、そのまま目を閉じる。
台所からココアの甘い匂いが漂ってくる。
兄は優しい。
その優しさが妹に対するモノだとわかっているから、私は時々困らせたくなる。
雨音はやみそうにもなかった。
「美咲、ココア。……寝てるのか?」
眠ってはいなかったが、返事をするのもダルく、目を閉じたままでいた。
机にマグを置く音と、ココアを飲む音が聞こえた。
きっと兄は私の分だけでなく、自分のも入れて飲んでいるのだろう。
ココアの甘い匂い。
それが急に強くなったと思った瞬間、唇に柔らかな感触がした。
キス……?
かぁっと顔が赤くなり、心臓がドキドキと鳴り出すのがわかった。


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