紅香語り(7)-3
「ン‥‥」
わたしは、乳首の先に訪れた甘い刺激に、思わず軽い喘ぎ声を――鳴き声を――あげていました。
「ンン――べ、紅香――あ‥‥き、気持ち、い、いいわ‥‥」
お姉ちゃんもそう言ってくれ、そして甘く鳴きました。
わたしは、そのままそっと、乳首が肌に触れるか触れないか、という微妙な接触を心がけつつ、これもできるかぎりそっと、そのまま体をお姉ちゃんの上体へ這わせました。
上へと。ゆっくり、ゆっくりと。わたしを見つめるお姉ちゃんの眼差しを感じながら。
でも、わたしの乳首が、おっぱいが、お姉ちゃんの顔に行くまでには、大きな起伏があります。言うまでもなく、わたしより大きい、お姉ちゃんの
くっ。音がしたわけではありませんが、そう表現したいことが起こりました。わたしの乳首――いいえ、
「べ、紅香‥‥」
お姉ちゃんは、潤んだ目でわたしを見て、あまり動かせない身をくねらせようとします。それにつれ、ボリュームたっぷりの乳房が、肉感タップリの太ももが、小刻みに揺れました。妖しさ満点の蠢動でした。わたしはそこに、桃香が指でやったあれを思い出しながら、真似るようにしてみました。ただし、指先ではなく、わたしの胸の、おっぱいの先端の、敏感な桜蕾たちで。視線は合わせたまま、わたしは自分のお乳首で、お姉ちゃんの乳房上に円を描いたのです。
想像してみてください。女同士の、女子校生同士の、調教されきった敏感な乳房がお互いに触れ合い、さらに敏感な、その感度抜群のお乳首同士が、くりくり、くりくりと、まるでお互いがお互いを求めるかのように絡み合うというのです‥‥!
なんという倒錯的な、いやらしい行為なのでしょう!
(もしかしたらわたしは、とてもとても、もったいないことを――)
――非生産的なことを、しているのでしょうか。そう思うと、海田くんはもちろん、世の男の人たちに、申し訳ない気持ちにさえなってきていました。でも、わたしは、
(ごめんなさい‥‥)
と、心中で詫びつつも、その行為にのめり込んでゆく自分を、止めることはできませんでした。これではもう、たとえ海田くんが、お姉ちゃんや桃香の裸身に萌えても、文句を言う権利はわたしにはないでしょう‥‥。