デンマークへの旅行-1
14.デンマークへの旅行
同棲生活を始めて2週間が経過し,7月に入り2人とも学校でのカリキュラムが修了し、自由時間が十分とれる夏休みに入った。
以前は夏休みに入ったら日本への一時帰国を計画していた博康だったが、1年後には大学院を卒業し日本で就職する予定であるため、一時帰国する意味もなかった。それに自分を暖かく迎えてくれたはずの元婚約者も今は去ってしまい、帰国する喜びもあまりなかった。
スウェーデンに入国してから、ほとんど旅行もしてなかった博康は、週末を使っての小旅行をカロリーネに提案する。予算がないため海外旅行とまではいかないが、橋を渡って行ける隣国デンマークへの小旅行なら可能だと思った。
出きれば海水浴が出来るデンマークの綺麗な海岸で、のんびりしたいと思った。
カロリーネも大賛成で、町の旅行代理店で、ホテル代込みの格安バス旅行を見つけてきた。
デンマークシェランド島北部にあるリゾート地として名高いチスヴィレライアの町への2泊の旅だ。マルメの町からはバスで行ける近距離なので、旅費も安い。
情報誌によると、ホテルと言うよりは個別のバンガローに2人だけで泊まれるとのこと。そして目の前には綺麗な白砂の砂丘が何キロにも渡って続いている。あまり観光客で混雑しない、静かで美しい海水浴場としても有名な、人気あるスポットとのことだった。
予約を済ませ、旅行代金を支払い終えた博康とカロリーネの2人にとっては、旅行日までが待ち遠しい毎日。
やがて予定の金曜日がやってきて、博康とカロリーネの2人は、午前10時にマルメ中央駅前から発車する中型バスに乗り込んだ。
2人を乗せたバスは、オーレソンド大橋を渡り、海峡の対岸にある北欧の玄関口、大都会コペンハーゲンに入った。古びたレンガ造りの町並みを通り過ぎ、古風なレストランでランチ休憩。
その後、風光明媚ないくつかの海岸、森や古城の脇を通過し、午後3時過ぎに目的地のチスヴィレライアに到着。
ホテルは町の中心から少し離れた、海岸を見下ろす丘の上に建っていた。そしてホテル前には、宿泊者たちが個別に寝泊まりできる、レンタルのバンガローが海岸に向かって何棟も建っている。
博康とカロリーネの2人は、その内の1棟に2晩泊まることになっていた。バンガローの内部には、トイレ、キッチン、そしてベッドルームが完備していて、なかなか立派な物だ。
ホテルのチェックインを早めに済ませ、博康とカロリーナの2人は、先ずはTシャツとショートパンツに着替える。そしてタオルと水着をポリ袋に詰め込み、ホテルの目の前に広がる綺麗な白砂の海岸に跳び出た。
天気が良かったこともあり、白浜が続く海岸の所々には100人を超えるほどの人々がほぼ裸体に近い形で日光浴をしたり、冷たい北海の海水に浸かって海水浴をしている。
この海岸は、衣類なしで日光浴、海水浴ができるネーキドビーチとしても有名なことを2人は知った。
白砂の海岸線後方には、まるで砂漠を想像させるような幅広いでこぼこの小高い砂丘が広がっている。
所々に窪地が開いていて、その周りにはまなすや葦のような植物が生い茂っているため、これらの窪地は、外側からはほとんど見えない天然のシェルターのような存在。その周辺いたる場所では、何組ものカップルが全裸で寝そべり日光浴をしているのが遊歩道から見て取れた。
博康とカロリーネの2人は、遊歩道に沿って暫く歩く内、道から少し離れた砂丘の裏側に広がった4メートル四方ほどの窪地を見つけた。
ここならば外側からは見えないし、だれにも邪魔されそうになかった。
「私たちもゆっくり日光浴しましょう」とカロリーネは言いながら、先ずはその場所に大きめのビニールシートを敷き、風に飛ばされないように四隅を小石で押さえる。そしてその上に大きめのバスタオルを敷く。
そして恥も無く、着ていたTシャツとショーツを一気に脱ぎ、続いてブラジャーとパンティーも脱ぎ捨てると一糸まとわぬ全裸になった。
天気も良いしだれにも見られない場所だったため、冬の期間浴びなかった日光をどん欲に貪りたいカロリーネだった。