2-7
「ただいまー。そういえば服買ってたんだ。思ったよりも早く届いた」
そう言って、運送会社のロゴが入った紙袋を嬉しそうに抱えながらみかげが部屋に入ってきた。
ニコニコ笑うその表情は、曇り一つなく、愛くるしいものだった。
そんなみかげをぼんやり眺める俺。
明るい髪の色がよく似合う、小さな顔。
そのくせ目だけはやたら大きくて、キラキラしてて。
ボーイッシュで色気なんてまるでない彼女を意識なんてすることがなかったのに、あの喘ぎ声とみかげがリンクした瞬間、俺は彼女の折れそうなほど細い手首を掴んで、自分の方へ抱き寄せていた。
「ま、雅也!?」
紙袋が床に落ちる音と、みかげの驚いた声は同時だった。
こうして抱きしめると、みかげのショートヘアから香るスタイリング剤の甘い匂いに勝手に喉が鳴る。
やっぱりみかげもなんだかんだで女なんだって。
そして、夜はあのいやらしい声で鳴きながら、自分のことを慰めてーー。
あの可愛いエロい声を、電話越しなんかじゃなく、直に聞けると思うと、もう俺は止まらなくなっていた。