桃香語り(3)-3
(それからもうひとつ――あれだ‥‥!)
そして次に、同じ集中期間の、後半の出来事を思い出していました。
わたしはあの日、女体責めの妖しさにより本格的に魅入られながらも、同時に不快な体験をしたのでした。それらが、白香お姉ちゃん調教へのどうか線となったのだと思います――大げさかな? 線香花火くらいかもしれません。とにかくそういうものです――その間に、「にょ体」が「女体」だと知る機会を経ていました。
それは「おっぱい二段縛り」というものでした。
「高かったんだからね、紅香」
白香お姉ちゃんはその麻縄で、紅香お姉ちゃんのおっぱいを、ぐいっ、ぐいぐいっと締め付けていきました。ぐいぐいぐいいっ‥‥!
「い、痛い! お姉ちゃん‥‥!」
たまらず、紅香お姉ちゃんは悲鳴をあげました。しかし、白香お姉ちゃんは手をゆるめません。それどころか、ますます麻縄を引き絞る手に力を入れたようでした。
「ガマンガマン! おっぱ――乳房に痛くするのは、これが最後のメニューだから‥‥!」
その眉根をキリリと引き締まめた姿は、まるでひたむきに仕事に打ち込む魔女のようで、わたしはなぜか、
(白香お姉ちゃん、凄いかっこいい!)
と思ってしまったのでした。
やがて、作業が終わりました。紅香お姉ちゃんの両の
(おっぱいが、あんなふうな形になるなんて――!)
たぶんわたしは、目を大きく見開いていたと思います。あれが、女体責め、おっぱい責めのミリョクに本格的にひきつけられた、最初でしょう。
「スゴおぉーい。お姉ちゃんのおっぱい、凄いことになってるぅ…」
わたしは、素直な感想を口にしました。ふたりがわたしを、同時に変な目で見ましたが、気にしませんでした。
白香お姉ちゃんは、紅香お姉ちゃんのその姿を鏡で見せると言い出し、
「ほらっ、紅香、行くわよ」
と、紅香お姉ちゃんを捕まえたのでした。そして、お姉ちゃんの変形おっぱいにある種の感動すら覚え、見とれていたわたしのことも、
「桃香も、アホの子みたいにぼうっとしてないで、手伝いなさいよ」
と叱りました。わたしはムッとしたものです。