策略の赤い縄-3
「な、何するのよ瞳美。そんな所に」
広げられた花びらが、キュっとすぼんだ。
「なかなかの弾力と締まり具合ね。楽しめそうだわ」
「瞳美、お前はほんとに女のソコが好きだな」
やれやれ、といった風に江島が呟いた。
「ウソよ、瞳美ちゃん、私にそんなことしたことないじゃない」
ニヤーっと笑いを広げた瞳美が、冷たく答えた。
「本当の楽しみは最後まで取っておくものよ」
「や、やめましょうよ、そんなヘンなこと」
「その通り。ヘンなことよね。だけど、私はこれが大好きなの」
瞳美は自分の中指を口に含んで舐め回し、十分に湿らせると、玲奈のすぼまりに突き立てた。
「うっ……」
ズ、ズズ、っと瞳美の指が呑み込まれていく。
「ダメ、だめよ、そんなこと」
玲奈が抵抗して力を入れれば入れるほど、指は奥へ奥へと埋まっていく。
「熱い……熱いわ、玲奈。指が蕩けそうよ」
「やめ……」
根元まで入れられた指が、玲奈の中で直角に曲げられた。
「くふっ……」
「うふふ、こっちは江島にお任せするけど、ちょっとだけお隣からご挨拶ね」
グイ、グイグイ、っと玲奈の腹の方へ向かって指をこじる瞳美。
「あ、ああっ……」
直接ではないけれどもポイントを責められ、眉根を寄せる玲奈。粘り気の強い潤いが、野菊の花びらに垂れ落ちてくる。
「あら、気持ちいいの? お尻に指を突っ込まれて悦ぶなんて、とんだ変態ね、奥さん」
瞳美は指を引き抜き、玲奈の白い尻をパシっと平手打ちし、噛みついた。
「痛い……非道いわ、瞳美」
「おい」
待ちくたびれたように江島が割って入った。
「もういいだろ。お客様がお待ちかねだぞ。なあ、幸弘」
「あ、ああ」
江島が、大きく開かれた玲奈の足の間に入った。
「さて」
そして中指と親指で、玲奈の潤みきった花唇を一気に開いた。その瞬間、薄い陽炎がそこから立ち上った。
「こっちもお待ちかね、か」
中指の腹で、他の部分より幾分色が濃く、細かい皺の寄った花唇の淵をなぞり始める江島。
「あぁ……」
「かわいいナメクジさんだな。虐めたくなるぜ」
江島は花唇を両手でつまむと、左右へと強く開いた。桜色の柔肉がひきつれ、悲鳴を上げている。
「んぁあっ!」
玲奈が黄色く叫んだ。江島は更に力を込めて引っ張った。
「さ、避けるぅ、やめてぇ!」
「かまうものか。あんたの旦那さんがグチャグチャにしろって言ってるんだからな、奥さん。それ」
「あはぁあっ……」
苦痛に顔を歪めながらも、その口元には明らかにそれとは違う感情が表れている。
「悪い悪い、虐めすぎたかな。ちょっと可愛がってやるか」
舌を伸ばし、潤いをすくい取るようにピチャピチャと谷間を舐める江島。
「あ、あ、ああ、あはぁあ……」
「うーん、いい味してるねぇ。苦みの中にツンと舌を刺す酸味があって、そのうえ塩味まで利いてる。どんなソースも敵うまいよ。それなのに、味わったことが無いなんて、かわいそうなヤツだな、幸弘」
江島が自分から離れる気配に、玲奈は不審そうに眉を寄せた。
代わって近づいてきた何者かが、無言で彼女の真珠のように深い輝きを秘めた肉の蕾に吸い付いた。
「え……この感じ、これはまさか……」
チュウ、っと猛烈に蕾を吸い上げると、それは微細かつ強烈な振動を始めた。
「く、くぅ……やっぱりそうなのね」
「おや、ちゃんと覚えておいででしたか、お嬢さん」
「ぐ、グラミィ・キッス……あなたもグルだったの? 仁来さん」
「何のことか分かりませんが……第三のスイッチを入れるとしますか」
「だ、ダメ! ムリよ、それは」
「先日はずいぶんお楽しみでいらしたようですが?」
「違うわ、ムリヤリ力ずくで……」
玲奈は激しく腰をくねらせ、グラミィ・キッスを振り払おうとしたが、逃げようとすればするほどそれは彼女の敏感な肉の蕾に喰らいついていった。
「スイッチ、オン」
「ぐぁあああぁっ!」
目隠しの下で、玲奈は白目を剥いた。強烈に吸いついたグラミィが、激しく振動しながら、シリコンの内側に仕込んだローラーで容赦なく蕾をしごき上げているのだ。
「ぐ……ぐぅ……だ、ダメ……い、い……」
「イきなさるか、お嬢さん」
仁来は片方だけ眉を上げ、口元を歪めた。
「やぁぁめぇぇてぇぇ……」
腰をガクガク揺らしながら、玲奈は壊れかけのロボットの様に震えた声で叫んだ。
「いぃぃ、いぃぃ、い……イクものですか!」
玲奈は歯を食い縛った。
「それは困りましたね」
もう一つの気配を女の秘めやかな壺口に感じた玲奈は、慌てて避けようとしたが、間に合わなかった。
「がふっ……」
ねじ込まれた「ムジカ」が、フルボリュームで彼女の中でビートの利いたヘビメタを響かせた。それは内側のスポットに、電撃のような痺れをもたらした。
「が……」
玲奈は、体が水平になるほど反り返り、硬直した。
「あ……あ……」
ジュワー、っと下腹部の奥の奥深くに広がっていく快感に体を痺れさせられて、玲奈は身も心も空中に浮遊した。
やがて。玲奈はガク、っと脱力して赤い縄を揺らせた。
「おや、イきましたか。まあ、コイツでイかなかった女はいないんですがね」
仁来が愛おしげにグラミィ・キッスとムジカを見つめた。