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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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-3


翌朝、目が覚めたら、私はまだ阿部さんの腕の中で
男の人に抱きしめられながら寝たのも、いつ振りだろう。

そんな事を思いながら安部さんのTシャツに顔をそっとすり付けた。

「・・・ん?」

寝ぼけながら起きた様子の阿部さんは私の髪をなでて
「おはよ」
と身体全体ですり寄ってくる。

「今日の予定は?」
頭の上で声がして
「物件探しと荷造り。少しでも早くあの部屋を出るわ」

「ん。物件は俺がネットで探しといてやるよ」
「え?」
「来週、仕事帰りにでも一緒に回ろう」
「・・・・」
「荷造りして来い」
「・・・・うん」

その後、冗談っぽく「この家も一部屋空いてるぞー」と言っていたが
さすがにそれはない。

その後、2人で支度をして
2人で、朝食を食べに外に出て
大体の希望の家賃を言って別れた。

家に帰ると、ガランとしていて
私が夕べ出て行ったままなのが分かった。

「こーちゃんも外泊か」

ゆっくりと荷造りをしているうところにこーちゃんが帰って来て
「ただいま」
と私に声をかけた。

「お帰り」

この言葉が言いたくて、同棲を始めたはずなのに。
いつの間にかお互いに忙しくて心も離れて
この言葉は重要じゃなくなって行った。

「部屋が決まり次第、出て行くね。
こーちゃんは新しい家を決めたの?」

「いや・・・俺はどこでも良いから」
「そっか」





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