肛門の絶頂2-1
帰り着くと21時を回っていた。妻は既に入浴を済ませており、シャンプーのいい香りがした。
「今日も遅かったね、お疲れ。ご飯温めるから」
「ありがとう」
このやり取りだけでは平凡な夫婦の会話だが、私には妻の違和感が十分に感じて取れた。まず視線が合わない。口調はつとめて明るくいつも通りだが、どこかよそよそしい。
食事を温め直し、テーブルに並べる妻を後ろから抱き締めてみた。
「ちょっと危ないよ…落としたら火傷するでしょ」
いつもならこちらを見ながら、または機嫌が悪ければ睨み付けながら言うところだが、全く振り向こうとはしない。口実上練習ではあったが、若い他人棒を後門に受け入れ、オーガズムを迎えた罪悪感に苦しんでいるのだ。S嬢こそしているが、決して鬼畜でもサイコパスでもない、人並みの倫理観を持ち合わせているのだから当然のことだ。むしろ、秘密裏に妻を試すような行為をしている私の方が人としておかしいのだ。
私は妻の罪悪感を知りながら後ろめたさの欠片も見せず、妻の部屋着に手を滑り込ませ、乳房を揉みながら乳首を転がした。たったそれだけで乳首は硬く尖り、妻は目を閉じてテーブルに手をつき、腰が引けてしまった。
「もう…弱い場所をいきなり責めて来るとかひどくない?」
「そこまで弱いって思わなかったから。でも久し振りだし、いいでしょ」
「まぁいいけど…んっ…」
妻はハジメ君と出会う前は乳首は敏感ではなかった。私が責めてみても、そこはあまり感じないとはっきり訴えたことを、彼女自身忘れているようだった。
部屋着を捲り上げて胸を刺激しながらハーフパンツを下ろして脱がせ、ピンクのTバックで隠しきれない臀部を指でなぞった。ハジメ君の手つきを真似てみると、妻の身体はヒクヒクと良い反応を見せた。しかしハジメ君の時のように声は漏れないし、鳥肌も立たない。何かが違うのだろうと思いながら、妻の尻に赤い何かが目に止まった。虫刺されやニキビのように盛り上がりがなく、それでいて指で隠れる程の赤みがかった…。
キスマークだ。ハジメ君がつけたものだ。妻は気付いていないようだが、彼から私に対するメッセージだ。
私は頭が沸騰するほどの興奮を覚え、妻に足を開かせ、Tバックを横にずらし、ワレメから後門にかけて舌をズルリと這わせた。
「ちょっとアキ…待ってよ…あんっ!」
私の舌が肛門に触れた途端妻は仰け反り、声を挙げた。そうか、もうそんなに味を覚えたか。
私も肛門を犯してやりたかったが、計画が水の泡になってしまっては全てが台無しだ。私は妻の開かれたワレメに口をつけ、舌を暴れさせた。
「んっ…ちゃんとベッドでしようよ…あぁっ…」
私は妻の言葉も聞かずにそのまま一気に挿入し、欲望のままに腰を打ち付けた。腰を掴むのではなく、尻の肉を掴んで左右に開いた状態で肛門を丸見えにして妻を犯した。
「ああっ…あっあぁっ……何でこんな乱暴に…あんっ…はぁぁ…あぁぁっ…あっ!」
腰を打ち付ける度に妻の肛門はキュッキュッと絞まった。妻の肛門は汗と愛液で湿り、濃いピンク色に充血し、まるで花のようだった。ハジメ君が妻の肛門をこんなにも卑猥で美しくしてくれたことに感謝し、自分にここまで妻を仕込む能力がなかったことを悔しく思った。
「ああぁっ!」
妻がハジメ君に蹂躙される姿を思い出したと同時に限界を向かえ、妻の中で果てた。モラハラだよ、と妻は息を切らしながら笑い、ティッシュで股を拭いた。
「…………ねぇ、今日はどうして遅かったの?」
「え?あぁ……明日の予約の人が時間間違えて来ちゃって…」
顔を上げると妻が冷酷な表情をしていた。私は冷水を被ったように震え上がった。
「え…なんすか…」
無意識に敬語になる。
「何かさー、いつもより少ない気がするんだよねー、アキの精子。外で何してるのかなって思ってさぁ」
「い、いやそんな…後ろめたいことは…」
妻の嫉妬深さを忘れていた。自分のことは棚に上げても、私の浮気は絶対許さない人だ。必死に苦しい言い訳をしながらも誤解は解けたが、その晩妻の機嫌は直らなかった。私は妻が寝息を立てるまでひたすらマッサージをさせられ、解放されたのは日付が変わって1時間以上経ってからだった。
私は妻が温め直してくれた食事を再度温めて食べ、なるべく静かに洗い物と入浴をし、枕と毛布を持ってソファーで就寝した。
たいていの嫉妬は一晩で良くなるものだが、この時は例外で、翌朝は私の脱ぎ捨てたままにしていた靴下の異臭で目覚めさせられるという仕打ちまで受けた。